アルバイト・パートと正社員では、正社員の方が圧倒的に待遇が良いです。時間あたりの給料が高いですし、利用できる福利厚生も多いです。正社員になれば、今よりも良い条件で働くことができます。
ただ一般的に、正社員経験のない人の就職活動は成功しにくいといわれています。中途採用では過去の経歴が重視され、即戦力となることが求められます。そのため、アルバイト・パートしか経験がない人は採用に至らないケースが多いです。
このような中、登録販売者は正社員経験がない人でも就職しやすい資格です。実際に登録販売者資格を活かして正社員として働いている人の中には、アルバイト・パートから初めて就職した人が数多くいます。
そこで、登録販売者資格を活かして正社員就職を成功させるコツを解説していきます。
もくじ
登録販売者が初めての就職でも正社員になれる理由
登録販売者は市販薬を販売できるようになる資格です。そのため、登録販売者資格は市販薬が主力商品の一つであるドラッグストアで需要が高いです。
ただ、市販薬を販売しているのはドラッグストアだけではありません。市販薬はホームセンターやスーパー、コンビニエンスストア、家電量販店など、さまざまな業態で取り扱われています。登録販売者は小売業界全体で活躍できる資格なのです。
小売業界には経験・ブランク不問の会社が多い
また、小売業界の求人は経歴不問が多いです。小売店舗のスタッフは、専門知識が必要ない業務に当たるためです。
例えばドラッグストアでは、品出しや発注、レジなどが主なスタッフ業務となります。登録販売者資格を保有している人は、これに加えて薬の接客業務が発生します。
ただ、これらはアルバイト・パートも行っている業務です。そのため今までにアルバイト・パートしか経験していなくても、小売業の正社員スタッフの基本業務は問題なくこなせます。このことから、小売業界の求人は経歴不問であることが多いのです。
実際に以下は、北海道から沖縄まで全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには、社会人未経験歓迎となっています。一般的に社会人経験とは、正社員勤務の経験のことを指します。つまり、この求人はアルバイト・パートしか経験したことがなくても応募できるのです。
そのため現在アルバイト・パートとして働いている人であっても、登録販売者資格を活かして小売業界で正社員就職を目指しましょう。
なお、経歴不問の求人は小売業全体で出ています。そのため登録販売者資格を持っていなくても、小売業での正社員勤務に挑戦することはできます。
ただドラッグストアだと、正社員が登録販売者資格を保有していることが前提の業態です。そのため、ドラッグストアは登録販売者資格の保有者または登録販売者資格の取得予定者しか応募できないことが多いです。
また登録販売者資格を持っていると、ホームセンターなどの「ドラッグストア以外の業態」の登録販売者枠にも挑戦できるようになります。登録販売者資格を持っていると、無資格者よりも「挑戦できる・優遇される求人」が多くなるのです。
そのため正社員就職を実現させたいのであれば、登録販売者資格を活かして転職活動することをおすすめします。
実務経験を満たした登録販売者は正社員転職が有利
さらに、ドラッグストアでのアルバイト・パート経験によって実務経験を満たしている登録販売者は、就職活動をより有利に進めることができます。ドラッグストア以外の業態は正規の登録販売者しか採用していないためです。
登録販売者資格は、過去5年以内に2年以上の業務・実務経験がないと「研修中」の扱いとなります。研修中の登録販売者は薬の接客はできるものの、一人で薬を販売することができません。研修中の登録販売者が働くためには、同じ時間帯に正規の登録販売者か薬剤師が勤務している必要があります。
このときホームセンターやコンビニエンスストアなどは薬が主力商品ではないため、薬の販売（=資格者雇用）に大きなコストをかけられません。つまり、研修中の登録販売者を雇用する経済的な余裕がないのです。
例えば以下は、北海道・札幌にあるコンビニエンスストアの正社員求人です。
ここには、管理者要件を満たす登録販売者を募集していることが記されています。つまり、この求人は正規の登録販売者しか応募できないのです。
そのためドラッグストアでアルバイト・パートをしていて管理者要件を満たしているのであれば、資格を活かしてドラッグストア以外の業態への就職も視野に入れましょう。
登録販売者を目指す人も正社員になれる
また登録販売者資格を持っていない人であっても、資格を取得するつもりがあるのであればドラッグストアで優遇採用されやすいです。これは、ドラッグストアは多くの登録販売者を確保する必要があるためです。
ドラッグストアは薬が主力商品であるため、資格者不在で薬が売れなくなると経営的な大ダメージを負います。そのためドラッグストアは、従業員が急に休んだり退職したりしても安定して薬を販売できるように多数の資格者を雇用しなければなりません。
また、ドラッグストア業界には店鋪を新規出店し続けている会社が多いです。新しい店舗を作るためには、薬を売れる資格者が必要となります。そのためドラッグストアには、無資格者を正規の登録販売者へと積極的に育成し、雇用する資格者数を増やしている会社が多いのです。
例えば以下は、愛知や京都、岐阜などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには登録販売者を募集しているものの、これから資格取得を目指す人も応募できるとなっています。この求人は、登録販売者資格を持っていなくても応募できるのです。
そのため現在、登録販売者資格を持っていなくても、これから取得する予定があるのであればドラッグストアへの就職を目指しましょう。
登録販売者求人は年齢制限なしも多い
また小売業界は実力主義の会社が多いため、年齢不問求人が出ているケースも多いです。例えば以下は、愛知や京都などに店鋪を展開するドラッグストアの求人です。
この求人は年齢・経験不問で資格者を募集しています。非正規雇用のまま年齢を重ねてしまった人でも挑戦することができるのです。
特に小売店でのアルバイト・パート勤務が長い場合、正社員経験がなくてもドラッグストアへの就職を成功させやすいです。実際に以下は、同じ会社の募集要項欄です。
ここには、パートからステップアップしたい人を歓迎していると記されています。正社員経験がないまま年齢を重ねたとしても、アルバイト・パートとして働いていたのであれば採用されやすくなるのです。
そのため登録販売者資格が活かせる小売業界は、アルバイト・パートの人が正社員デビューしやすい会社が多いといえます。
なお当然ながら、年齢不問の求人であっても「どんな年齢でも積極的に採用する」というわけではありません。同じ「正社員経験なし」であれば、年齢が若い人の方がポテンシャル採用されやすいのは事実です。
特に家庭の事情などの特別な理由がない人は、アルバイト・パートのキャリアが長くなるほど正社員就職が難しくなっていきます。そのため、いま非正規雇用で働いている人は、就職活動をより不利にしないために一刻も早く正社員就職を目指しましょう。
初めて正社員になる登録販売者の求人探し
なおアルバイト・パートの人が初めて正社員就職を実現させる際には、「正社員経験がなくても応募可」と記されている求人に挑戦するのが基本です。
例えば以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには経歴不問の記載がなく、第二新卒を歓迎するとなっています。第二新卒は「大学や専門学校、高校などを卒業して間もない人」と勘違いされていることがありますが、実際には新卒で一度正社員就職している人のことを指します。
つまり、この求人は正社員経験のない人を積極採用していないのです。そのため正社員経験のない人は、このような表記のある求人を避けましょう。
一方で以下は、東京や埼玉、神奈川（横浜）などに店鋪を展開するドラッグストアの求人です。
ここには、社会人未経験者を歓迎しているとなっています。この求人はアルバイト・パートしか経験していない人でも応募できるのです。
そのため正社員経験のない人は、応募要項欄に「社会人経験なし可」などの記載がある求人を中心に応募しましょう。
実務経験なし登録販売者はドラッグストア業態を選ぶ
またドラッグストアなどでの勤務経験がない登録販売者は、資格を活かしてドラッグストア以外の業態（ホームセンター、コンビニなど）へ就職することは難しいです。前述のように、ドラッグストア以外の業態は正規の登録販売者しか採用していないケースがほとんどであるためです。
一方でドラッグストアは複数の資格者が店鋪に在籍しているため、研修中の登録販売者でも働けます。そのため実務経験なしの登録販売者は、ドラッグストア業態を中心に求人を探しましょう。
例えば以下は、東京や大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには社会人未経験者も歓迎しており、ドラッグストアなどでの販売経験を問わないとなっています。つまり、実務経験なし（＝研修中の登録販売者）のアルバイト・パート登録販売者も応募できるのです。したがって実務経験なしの登録販売者は、ドラッグストアを中心に求人を探しましょう。
ドラッグストア以外なら実力主義の求人も応募できる
一方で、アルバイト・パートなどで実務経験を積んでいるのであれば、ドラッグストア以外の業態であっても働くことができます。
このとき正社員経験のない登録販売者が挑戦する場合、ディスカウントストアや家電量販店などが採用されやすい業態になります。これらの業態は実力主義を掲げており、経歴不問で採用している会社が多いためです。
例えば以下は、北海道から東京、沖縄まで全国に店舗を展開するディスカウントストアの求人です。
ここには登録販売者を採用しており、社会人未経験者も採用していることが記されています。実務経験のある正規の登録販売者は、ディスカウントストアなどを狙うことで好条件での正社員就職しやすくなるのです。
そのためドラッグストアのアルバイト・パート経験で管理者要件を満たしている登録販売者は、実力主義を掲げる業態にも挑戦できます。
土日休みを実現させたいのであれば調剤事務
なおアルバイト・パートなどしか経験したことがない人の中には、子育てなどの家庭の事情を抱えている人もいるでしょう。このような人は、プライベートを優先できる求人を探さなければなりません。
このとき、登録販売者資格はプライベートを優先できる調剤事務職でも活かすことができます。調剤事務職は「調剤事務資格が必要な専門職である」と思われがちですが、実際には無資格で就ける業種です。実際に、資格なしで働いている調剤事務員は多いです。
ただ、調剤事務として働くためには薬や薬機法などの専門知識が必要です。そのため、これらの基礎知識がある登録販売者は調剤事務でも採用されているのです。
実際に以下は、兵庫にある調剤薬局の求人です。
この求人では登録販売者を募集しています。登録販売者は調剤薬局で事務員として働くことも可能なのです。
このとき、調剤薬局は小売店と異なり日曜定休・夕方までの勤務が基本です。また転勤もありません。調剤薬局は家庭との両立を実現しやすい勤務形態が可能なのです。そのため子育てなどの事情がある登録販売者は、調剤事務がおすすめです。
また、調剤事務は女性が圧倒的に多い職場です。女性は家庭の事情でパートの雇用形態を選ぶ人が多いため、女性の多い職場では「パート経験しかない」という理由でも不採用になりにくい傾向にあります。
例えば以下は、京都にある調剤薬局の求人です。
ここには、現在パート勤務している人でも正社員になれると記されています。アルバイト・パート勤務しか経験がなくても、調剤薬局に正社員就職することが可能なのです。
そのため家庭の事情がある正社員未経験の登録販売者は、調剤薬局への就職を考えてみましょう。
初めての正社員就職を成功させるコツ
ただ、社会人未経験者を採用している求人に応募すれば必ず正社員になれるわけではありません。企業は「この会社に役立つ人材」を採用します。そのため、「社会人未経験となっている理由」をきちんと説明できるようにしましょう。
例えば新卒就職がうまくいかなかったとしても、そのまま子育てや介護など家庭の事情によって非正規雇用で働き続けた人は、「正社員未経験」という経歴であっても不利に働きにくいです。
また、社会人未経験者を採用している企業は人物重視で採用者を決めます。そのため正社員未経験の理由が「目指す夢を実現させるために、アルバイト・パートの形態を選んでいた」などであった場合、「一つのことに真剣に打ち込むだけの気概がある」と判断されて採用に至るケースがあります。
一方で、このような特別な理由なく非正規雇用を続けていた人は面接官の印象が悪くなりやすいです。「将来を見通す能力が低い」「楽な方法を選んでしまう人材」などと判断されて不採用になってしまうのです。
そのため正社員経験がない登録販売者が採用されるためには、「いま正社員でない正当な理由」を伝えることが大切です。そうして、働きたい意欲・熱意を見せるようにしましょう。
転職サイトを利用して求人を探す
ただ正社員として就職したことがなかったり、長くフリーターを続けていたりする人は、いま正社員の人に比べて応募できる求人そのものが少ないです。そのためアルバイト・パートの登録販売者が正社員就職するためには、応募できる求人を探すために多くの時間を割かなければなりません。
また「経歴不問だから」といって求人を精査せず、あなたに合わない会社へ就職すると、会社・業務に馴染めず早期退職につながる可能性が高くなります。
アルバイト・パート歴の長い人が早期で正社員キャリアを手放してしまうと、再び正社員就職しようとしても採用されにくくなります。そのため、現在フリーターの登録販売者は慎重に求人を選ぶ必要があります。
そこで正社員就職を実現したい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。
転職サイトを利用すると、担当者があなたに適切な求人を紹介してくれます。そのため自力で探すよりも、あなたが働き続けやすい経歴不問の求人を見つけやすくなります。
また転職コンサルタントは、あなたと会社との間を取り持ってくれたり面接時のアドバイスをしてくれたりします。そのため、社会人未経験でフリーター歴が長い登録販売者でも正社員就職を叶えやすくなります。
ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは、最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、あなたに合った会社へ就職しやすくなります。
まとめ
一般的に、アルバイト・パート経験しかなかったりフリーター歴が長かったりする人は正社員として採用されにくいです。ただ、登録販売者資格を持っていると正社員就職を実現しやすくなります。登録販売者資格を活かしやすい小売業界は、経歴不問で採用している会社が多いためです。
また、登録販売者の資格者でなくても、資格取得を目指している場合はドラッグストアへの就職が有利になります。ドラッグストアは店舗拡大のために多くの人を雇用する必要があり、資格取得の意思がある人も積極的に採用しているためです。
ただ「経歴不問で採用しているから」という理由だけで求人を選ぶと、あなたにとって合わない会社へ就職してしまう可能性があります。その結果、早期退職して経歴に傷が付き、さらに正社員就職が厳しい状況へと陥ってしまいます。
そこで現在フリーター・パートとして働いている登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、あなたが働きやすい会社で正社員キャリアをスタートさせることができます。
登録販売者が転職を行い、求人を探すにしても自分一人で行うのは現実的ではありません。そこで、ほとんどの人が転職エージェントを活用します。
転職サイトを利用すれば、「年収の交渉」「希望の勤務地」「労働時間の調節」を含めてすべて代行してくれるようになります。
しかし、転職サイトによって「地方在住者でも事前面談に対応している」「40代以上でも利用可能」など特徴に違いがあります。人気の転職エージェントの中でも、これらの特徴を理解したうえで、どの転職サイトを利用すればいいのか検討しなければいけません。
そこで当サイトでは、転職サイトごとの特徴について解説しています。転職では2～3社以上に登録して活動するのが基本になるものの、どの転職エージェントを利用すればいいのか理解したうえで以下のページから比較検討し、転職サイトへ登録するようにしましょう。
