一般的に、フリーターの就職は正社員の転職に比べて成功率が低いです。これが、ニート・引きこもり期間のある人だと事態はより深刻です。

ただ、「採用されにくいから」といって挑戦せずにフリーター・ニートのまま年を重ねると、さらに正社員就職が難しくなっていきます。

その結果、取り返しのつかない年齢となって不安な老後を過ごすことになりかねません。そのため、現在フリーターやニート、引きこもりの人は今すぐに正社員としての就職への活動を始めるべきです。

このような中、登録販売者はフリーター・ニートにおすすめな職種です。登録販売者が働く業界は、フリーターや職歴なしの人などでも挑戦しやすいためです。

そこで、フリーターやニートなどに登録販売者がおすすめな理由と、正社員就職を実現するためのコツについて解説していきます。

なぜフリーター・ニートに登録販売者がおすすめなのか?

フリーター・ニートであっても、20代前半の若年層であれば就職・転職に大きな影響はないでしょう。一方で、20代半ばを超えてフリーター・ニート歴が長い人は正社員就職が難しくなります。

このような「年相応の職歴がない人」が正社員就職を実現するためには、職歴以外で会社へアピールできるポイントが必要です。そのため、資格取得は「フリーター・ニートの正社員就職への第一歩」とされることが多いです。

ただ、資格を取得さえすれば就職が有利になるわけではありません。企業や団体などが認定する民間資格は、取得が容易である一方で「この資格がなければ就けない職業」が存在しないためです。

例えば、一般的に就職に有利だとされる医療事務は民間資格です。そのため、医療事務の資格を取得していなくても医療事務職として働くことができます。実際、無資格で働いている医療事務員はかなり多いです。

これに対して、国家資格は取得が困難である一方で、資格保持者ではないと就けない職業があります。

例えば、医師や薬剤師、教師などは免許を取得した人でなければ、その職に就くことはできません。つまり就職を有利に進めたいのであれば、国家資格取得を目指すべきです。

ただ、国家資格は専門の大学に通わなければ取得できないケースが多いです。フリーター・ニートが新たに大学へ入り直して国家資格を取得するのは現実的ではないでしょう。

このような中、登録販売者は医療系の国家資格であるのにも関わらず試験に合格するだけで取得できます。登録販売者は通学しなくても取得できる資格なのです。

また登録販売者は市販薬を取り扱える資格であるため、市販薬を販売している業態で重宝されています。そのため、登録販売者資格を取得すると小売業界(ドラッグストアなど)での就職・転職が有利になります。

小売業は職歴なしでも応募可能な業界

また、一般的に中途採用では過去の経験が重視されます。そのため、正社員としての勤務経験がなかったり働いていない期間が長かったりすると、中途採用されにくくなります。特に年齢が高いほど、この傾向は強いです。

一方で、小売業界には過去の経歴を問わない企業が多いです。これは小売業が実力主義の業界であるためです。そのため小売業界では、過去の経歴がどうであっても「実績を出せるポテンシャルがある」と判断されれば採用されることが多いです。

実際に以下は、埼玉や千葉、愛知などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには、社会人未経験者歓迎との記載があります。つまり、正社員勤務の経験がない人でも応募できるのです。

そのためフリーターやニート、引きこもりなどは、登録販売者資格を取得して小売業界への就職を目指しましょう。そうすることで、社会復帰への第一歩を踏み出すことができます。

資格取得を目指しながら働くことができる

また、前述の通り登録販売者資格は試験に受かるだけで取得できます。ただ実務経験がないと、扱える薬が少ない「研修中の登録販売者」となります。

研修中の登録販売者が正規の資格者となるためには、過去5年以内に2年以上の業務・実務経験が必要です。正規の登録販売者となるためには、市販薬販売に関する業務経験が必要なのです。

ただ、登録販売者としての実務経験は資格を取得する前にも積むことができます。

例えばドラッグストアで2年以上勤続した後に登録販売者試験に受かった場合、すぐに正規の資格者として働き始めることができます。そのため登録販売者として働くのであれば、試験合格前からドラッグストアで働き始めることをおすすめします。

例えば以下は、愛知や京都などで店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには、「登録販売者の資格取得を目指せる」と記載されています。この企業では、登録販売者資格を取得前でも働くことができるのです。そのため、フリーター・ニートは登録販売者試験の勉強と並行して、このような求人に挑戦することをおすすめします。

なおフリーターやニート、引きこもりなどの場合、「登録販売者試験の勉強中である」とだけ求人先に伝えても信用されにくいです。前述のように、フリーター・ニートは怠惰な人間だと思われがちであるためです。

そのためフリーター・ニートが登録販売者試験の受験前にドラッグストアで勤務するためには、「本気で登録販売者資格を取得するつもりであること」をアピールする必要があります。

例えば面接時に登録販売者試験の受験予定日を伝えると、登録販売者試験への本気度が伝わりやすいです。また試験内容を把握した状態で面接を受けると、面接官から勉強の進捗を尋ねられたときにもスムーズに答えられます。その結果、本気で勉強していることが伝わるでしょう。

フリーターやニート、引きこもりが就職するための求人選びのコツ

こうした条件が揃っているため、小売業界はフリーターやニートなどの社会復帰におすすめの業界です。

ただ一言に小売業界といっても、さまざまな会社があります。中には、重労働であったりノルマがきつかったりする企業もあります。

フリーター・ニートがこのような企業に就職しても、耐えきれずに退職してしまいやすいです。その結果、職歴に傷がついて正社員転職が難しくなっていきます。

そのためフリーターやニート、引きこもりなどは、慎重に働きやすい環境を選ぶ必要があります。具体的には、以下のような求人を探すといいでしょう。

残業がなく休暇制度が整っている職場を選ぶ

アルバイトを掛け持ちしているフリーターは、長時間労働や休日の少なさなどに慣れていることでしょう。一方で、一般的なフリーターは必要最低限の日数・時間しか出勤しないことがほとんどです。

また職歴なしのニートや引きこもりなどは、働かないことに体・精神が慣れてしまっています。そのため、フルタイムで働くことすら過酷に感じやすいです。

このような人が、残業が多かったり休日が少なかったりする職場に勤めると、体力・精神力が持ちません。その結果、早期退職や病気(うつ病など)の発症につながります。そのため労働することに慣れていないフリーターやニートなどは、残業が少なく休暇制度が整っている企業を選ぶべきです。

例えば以下は、東京や神奈川、埼玉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには残業が少なく、週2日は必ず休めると記されています。また年2回は連休を取得することができ、入社直後から有給が付与されます。

このような求人を選ぶと、職歴なしで働き慣れないフリーターやニート、引きこもりなどでも正社員勤務に順応しやすくなります。フリーター・ニートは、残業が少なく休日が充実している求人を選びましょう。

研修・教育システムが整っているところを選ぶ

基本的に職歴なしだと、社会人としての経験に乏しいです。要は、正社員に必要なマネジメントスキルや経営・運営知識が不足しています。

このようなスキルは現場でも学ぶことができます。ただ、よほど吸収力が優れた人でない限り、基礎知識なしに一人前のスキルを身につけることはかなり難しいです。

そのためフリーターやニートなどは、現場ですべてを学ぼうとせず、研修・教育システムを活用することが大切です。例えば以下は、岩手や宮城などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには入社後に導入研修があり、コンプライアンスやビジネスマナーについて学べるようになっています。また定期的に商品知識や接客などに関する研修が行われており、勉強できる機会が多いです。

このような研修を利用して積極的に勉強すると、スキルの低いフリーター・ニートでも経験豊富なスタッフに追いつきやすくなります。そのためフリーター・ニートは、研修制度が充実した求人を選ぶことが大切です。

そして面接時に「今は経験・知識不足だが、教育システムの充実している御社でスキルアップして活躍したい」という旨を伝えれば、やる気をアピールすることができます。

職歴なしで登録販売者として就職を成功させる方法

なお、年齢が若ければいいものの30代を超えても正社員経験がない場合、正当な理由がなければ「なにか問題のある人材」と思われやすいです。そのため、フリーターを長期間続けざるを得なかった「説得力のある理由」を述べる必要があります。

例えば就職に失敗して新卒での正社員就職が叶わなかった人であれば、「新卒での就職が叶わなかったので、経験を積んで正社員就職を実現しようとした」「アルバイト先に社員登用制度があるので勤続していたが、長期間実現しなかったので中途入社を考えた」などと説明するといいでしょう。

また家族の病気が原因であれば、それを伝えることで理解が得られるケースもあります。実際に私の知り合いは、両親の闘病によって時間の都合がつきやすい非正規スタッフとして長期間働いていました。

その人は両親の闘病生活が終わった後、就職活動を開始して中途入社を叶えました。やむを得ない事情があった人は、その事実とやる気をアピールすれば正社員就職が実現しやすいのです。

一方でフリーターならまだしも、引きこもりやニートなどの職歴に大きなブランクがある人の場合、自分または家族の病気以外の理由はすべてネガティブな印象を与えます。

実際、「働ける状況だったのに、アルバイトすらしていなかった」という事実は怠惰であるとしかいえません。そのため実際の理由がどうであれ、引きこもり・ニートは「病気のために働けなかった」という理由にするべきです。

また、フリーターも含めいずれの場合も、「過去正社員として働いていなかったのは事実だが、今後は全力で頑張って挽回したい」という熱意をアピールすることが大切です。

職場の下見は必須

ただ正社員として就職すると、アルバイトとして働いていたときよりも責任が重くなります。他のスタッフと円滑にコミュニケーションを取る必要性も生じるため、人間関係の悩みを抱えやすくなります。

特にニート・引きこもりは、他人と接することに慣れていません。そのため、小さな対人関係トラブルでも強いストレスを感じやすい状態となっていきます。

このような人が性格の悪い人がいる職場へ行くと、精神的に追い詰められてしまいやすいです。その結果、早期退職したり病気になったりすることにつながります。そのため、フリーターやニートなどは必ず応募する職場を下見しましょう。

転職・就職のときに職場見学するのは普通なので、転職エージェントの力を借りながら見学を実施するといいです。このとき、朝の納品時や土日などの忙しい時間帯に来店するとさらに良いです。

例えば忙しい時間帯に荷物が通路に放置されている店舗は、業務量に対して人員が少ない可能性が高いです。このような職場で働くと肉体・精神に大きな負担がかかり、退職などにつながりやすくなります。

また下見の際には「忙しい環境で従業員がどのように顧客・他スタッフへ対応しているか」に注目しましょう。

例えばどれだけ来客が多くても、顧客への応対が丁寧だったりスタッフ同士が明るくコミュニケーションを取っていたりする場合、スタッフの人柄・人間関係が良いことが伺えます。

一方で忙しそうにしたり面倒くさそうにしたり、愛想が悪かったりするスタッフが多い場合は要注意です。このような従業員が多いと、質問しづらかったり不条理な扱いを受けたりする可能性が高いためです。

そのため、忙しい時間帯に態度が悪い従業員が多い職場は、なるべく避けるようにしましょう。

転職サイトを利用して就職を成功させる

ただ下見をして職場環境が判明しても、会社の業務方針があなたに合っているかどうかはわかりません。誤ってあなたに合わない体質の企業へ入社すると、会社が求める業務のレベルに応えられずストレスを感じやすくなります。

そのためフリーター・ニートの登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトを利用すると、担当者があなたに合った求人を紹介してくれます。そのため、長く働きやすい職場へ入社しやすくなります。

また、ニート・引きこもりは人と接する機会が少ないため、社会人としての会話能力が低下しています。そのためニート・引きこもりが対策を講じずに面接を受けると、うまく受け答えの会話ができず不採用となりやすいです。

そこで転職サイトを利用すると、担当コンサルタントと求人についてのやり取りを交わしたり面接のコツなどを聞いたりできます。「会話のリハビリ」を通して、低下したコミュニケーション能力の向上が実現できるようになるのです。

さらに、転職サイトの中には面接同行サービスを利用できるエージェントもあります。企業との交渉を転職サイトの担当者が代行してくれるため、余計な緊張をしなくて済みますし質疑応答に集中することができます。

ただ、転職サイトのサービス内容や担当者の力量には個人差があります。そのため、転職サイトは最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、よりあなたに合った企業へ挑戦しやすくなります。

まとめ

フリーターやニートなどは正社員の転職よりも就職が難しいです。特に20代後半以降になると、受け入れてくれる企業がかなり少なくなります。

ただ、小売業界は過去の経歴に関わらず採用してくれる企業が多いです。さらに小売業界で重宝されている登録販売者資格を取得すると、より正社員就職が叶いやすくなります。

ただ、「どこでもフリーター・ニートが満足して働ける」というわけではありません。あなたに合わない求人を選んでしまうと、早期退職したり病気を発症したりしやすくなります。その結果、さらに社会人として生きていくのが困難になります。

そのためフリーターやニートなどは転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで職歴なしでも、あなたに合った企業を見つけて正社員として勤務を長期間続けやすくなります。


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