収入額は仕事を選ぶ上で大きな基準となります。中には「やりがいがあれば低収入でもかまわない」という人もいますが、ほとんどの人は「可能な限り給料の良い会社で働きたい」と考えます。

特に登録販売者資格を取得するためには、時間やお金を費やすことになります。そのため「せっかく資格を取ったからには、高収入を得たい」と思う人が多いです。

では、登録販売者が高収入を得ることは可能なのでしょうか? また登録販売者の資格を生かして高収入を得るためには、どのような求人を選べばいいのでしょうか?

ここでは、登録販売者として高収入を得るための職場選びについて解説していきます。

登録販売者が高収入を得る求人の選び方

ドラッグストアなどの小売業界では、ほとんどの企業が月給制を取り入れています。そのため、ドラッグストアなどの求人では給与欄に月給を掲載しているところがほとんどです。

このとき、多くの人は「月にもらえる金額」に注目します。公共料金の支払いなどの理由から、家計を一ヶ月単位で管理している人が多いためです。そのため、毎月の収入が多いと給料が高い印象を受けやすいです。

ただ、月給だけを見て求人を選ぶと損をしてしまう可能性があります。月給が高い会社の中には賞与額を低く設定しているケースがあるためです。

例えば以下は、北海道から福岡まで全国に店舗を展開しているドラッグストアの求人です。

この求人は月給28万円以上と記されており、スタート月給が高水準であることがわかります。ただ以下は、同じ企業の年収例です。

ここには、月給28万円の人の年収が400万円となることが記されています。これに対して以下は、埼玉や千葉、愛知などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここの年収例には、月給28万円の人が年収500万円であると記されています。この企業は前述した企業と月給が一緒であるのにも関わらず、年収が100万円高くなるのです。そのため高収入を得たいのであれば、月給ではなくボーナスまで含めた年収に注目する必要があります。

早急に高い給料が欲しい場合は深夜に働く

また、経験の浅い登録販売者が手っ取り早く高収入を得たいのであれば、深夜に勤務する手段があります。22時~翌朝5時は通常の1.25倍の給料が支払われるためです。これは、そのように法律で定められているからです。

また基本的に、会社は雇用コストの高い薬剤師を深夜に働かせません。そのためドラッグストアなどの深夜帯では、登録販売者でシフトを回すケースが多いです。

さらに、深夜帯を希望する正社員スタッフはかなり少ないです。そのため夜間も営業している店舗のある会社を選べば、深夜勤務によって入社後すぐのタイミングであっても高収入を実現しやすくなります。

例えば以下は、東京にあるドラッグストアの店舗情報です。

この店舗は24時間営業していることが記されています。このような店舗を運営している会社で働くと、深夜給が支払われる時間帯に働くことが可能となります。

実際に以下は、この店舗を運営している会社の中途採用求人です。

この求人の勤務時間欄にはシフト制で一日8時間労働と記されている一方で、働く時間帯についての記載がありません。つまり「1日のうちどの時間帯で働くかが固定されていない(=深夜帯勤務が発生する可能性がある)」のです。そのため、この求人で深夜帯勤務を希望する旨を伝えれば高収入を実現しやすくなります。

また中には、夜勤専従の求人もあります。例えば以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには、法律で定められている深夜割増給に加えて夜勤手当が72,000円支給されると記されています。このような求人を選ぶと長期間夜勤を続けることができ、収入もかなり高くなります。

福利厚生の諸手当に注目する

ただ中には、「なるべく収入を高くしたいが深夜には働けない」という人もいるでしょう。このような人は、福利厚生が充実して手当が厚い会社を選ぶといいです。

例えば以下は、東京や神奈川、大阪、福岡などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには、居住地手当や資格手当、役職手当、家族手当などのさまざまな手当が支給されると記されています。また、時間外手当(残業手当)も1分単位で全額支給されます。そのため、この企業で働くと求人に掲示されている月給よりも高い給料をもらえることを期待できます。

一方で月給にみなし残業代が含まれている場合、基礎月給が高くても最終的な手取りが安くなる可能性があります。例えば以下は、北海道から福岡まで全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには、掲示されている月給に30時間分(45,000円以上)のみなし残業代が含まれていることが記されています。残業時間が30時間未満の場合、残業手当による給料の増額が起こらないのです。

そのため基礎月給の額が高くても、みなし残業制度を取り入れている場合、残業手当が全額支給される会社の方が高収入となる可能性があります。

したがって入社直後の年収を高くしたいのであれば、掲示されている給料だけではなく福利厚生や残業代にも注目する必要があります。

年収500万~600万円以上を目指す転職方法

ただ入社直後の年収が高めであっても、その後に年収が上がらないようであれば該当の求人は避けるべきです。

年収300万円では家族を養うのは難しいですし、年収400万円でも不自由なく暮らせる年収ではありません。将来のことを考えるのであれば、年収500万~600万円までは狙うべきです。

ただ求人選びを誤ると、どれだけ頑張っても年収500万円に届かないことがあります。そのため将来的に年収500万円以上得たいのであれば、給料が上がる見込みのある求人を探さなければなりません。

役職と年齢の年収例が記載されている求人を選ぶ

そうしたとき、役職や年齢に伴う年収を記載している求人が優れています。登録販売者の主な就職先である小売業界には、実力主義の会社が多いです。そのため基本的には、成果さえ出せば年収が伸びていくケースがほとんどです。

ただ中には、年収の伸びが悪かったり止まったりしてしまう企業もあります。例えば以下は、東京や埼玉、神奈川などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここの年収例には、5年目で年収340万円、10年目で年収410万円と記されており、年収の伸びがそれほど良くありません。また、410万円を超える年収例が記載されていないため、年収500万円や600万円の実現は難しいことが予想されます。

これに対して以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。

ここには、入社5年後に年収645万円を達成している例が記載されています。この会社では、実力があり成果を出せれば短い期間で年収500万円以上を実現することができるのです。

そのためドラッグストアなどで年収500~600万円を目指したいのであれば、年齢や入社年数ごとの年収例が記載されている求人を選びましょう。

営業職は高収入を実現しやすい

また登録販売者資格を活かして営業職に就くと、小売店で働くよりも早い年数で高収入を実現することも可能です。登録販売者の営業職である置き薬販売業では、歩合給で支払われることが多いためです。

歩合給が支給される会社では、実績を出すほど給料が高くなります。そのためスキル・実力によっては、入社直後から高年収を実現することも可能となります。

例えば以下は、長野にある配置薬販売事業所の求人です。

ここには、歩合給が支給されることによって平均給与が月給37万7,000円であると記されています。また、入社4年目で年収750万円を達成している年収例も記載されています。登録販売者が営業職を選ぶと、成果さえ出せば早い段階で高年収を実現することができるのです。

ただ歩合給で給料を高くするためには、多くの売上実績を作らなければなりません。そのためスキル・実力がない人が営業職へ就くと、小売店に勤めるよりも収入が低くなる可能性があります。

そのため、どれだけ高収入を得たくても、あなたが営業職に向いていない性格・性質であるならば営業職は避けることをおすすめします。一方でコミュニケーション能力や精神力が高いのであれば、営業職で高収入を得ることも視野に入れましょう。

800万円や1000万円の高収入を目指す場合

なお、どれだけ高収入を得やすい会社であっても、サラリーマンが年収800万円や1000万円を実現することはかなり難しいです。

これだけの高収入を得るためには、かなり上の立場まで出世しなければなりません。中には、どれだけ出世しても年収1000万円まで届かない会社もあります。

ただ、だからといって起業すれば年収1000万円を実現できるわけではありません。年商ではなく年収1000万円を実現するためには、多くの努力と高いスキル・知識が必要です。そのため「起業して年収を高くしたい」という軽い考えで起業すると、収入が高くなるどころか負債を抱える危険性があります。

そのため一般的な登録販売者がより高年収を目指すのであれば、年収800万円や1000万円が可能な会社へ入社し、実績を出して出世するのが現実的だといえます。

小売業界にも年収1000万円を目指せる企業はある

一般的に小売業界は給料が安い業界だとされています。実際に小売業界は、金融業界や不動産業界などに比べて平均年収が低いです。そのため、小売業界のサラリーマンが年収1000万円を実現するのは不可能だと思われがちです。

ただ実際には、小売業界でも年収800万円や1000万円を実現できる会社はあります。例えば以下は、千葉にあるドラッグストアの求人です。

ここには将来的に年収800万~1000万円が可能であると記されています。小売業界であっても、求人を精査すれば年収800~1,000万円を得ることは可能なのです。

また実際に、私が登録販売者として働いていた会社(ディスカウントストア)には、年収1000万円以上もらっていた上司が複数名いました。年齢は40~50代であり、それぞれエリアのカテゴリーを統括する役職に就いていました。

そのため年収1000万円以上の高収入を得たいのであれば「年収1000万円実現可能」と記している求人を選び、実績を積むことを目指しましょう。

登録販売者資格を活かして製薬会社MRのキャリアを積む

また登録販売者資格を活かせるのは、市販薬販売業(小売業)だけではありません。登録販売者資格を持っていると、MRなどの医療用医薬品に関わる会社への就職も有利になります。「薬や薬機法の基礎知識がある」と見なされるためです。

基本的にMRなどの医薬品営業は、小売業界よりも平均年収が高いです。そのため登録販売者資格を活かしてこれら職に就くと、小売店で勤務する場合よりも年収が高くなりやすいです。

またMRとしての経験を積むと、外資系の企業にキャリア転職することも可能となります。例えば以下は、東京など関東地域での外資系MR求人です。

ここには年収1100万円以上が可能であると記されています。登録販売者資格を入り口としてMRなどの経験を積むと、給料の高い会社へのキャリア転職が実現しやすくなるのです。

そのため、小売業界以外の年収が高い会社で働いて高収入を実現したいのであれば、MRなどに挑戦することも視野に入れるといいでしょう。

実際にMRを目指す場合、最初はCSO(製薬会社にMRを派遣する会社)からキャリアを積むことになります。製薬会社は経験者MRしか採用しないからです。ただ、CSOのMRでも年収700万円や800万円は普通ですし、そこからさらに新薬メーカーMRへ転職することも可能です。

高収入を得たい登録販売者は転職サイトで求人を探す

ただ、高収入を得られる会社を自力で探すのは難しいです。求人には出世後の年収がすべて記載されているわけではありません。また、求人に書かれている出世後の年収例は過去の実績であり、現在でも同じように出世できるとは限りません。

そこで高収入を得たい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトを利用すると、担当者があなたの希望に沿った求人を紹介してくれます。担当コンサルタントは求人先企業の内情・実情に詳しいため、あなたが実際に稼げる会社を見つけてくれます。

また転職サイトの担当者は、あなたと会社の間を取り持ち、給料の交渉を代行してくれます。そのため転職サイトを利用すると、自力で給料交渉するよりも高収入を実現しやすくなります。

ただ、担当コンサルタントの力量には個人差があります。そのため転職サイトは最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、より給料の高い会社への転職が叶いやすくなります。

まとめ

登録販売者は小売業で需要の高い職種です。ただ一般的に、小売業は年収が低い業界だといわれています。そのため、登録販売者が高収入を得ることはできないと思われがちです。

ただ、実際には登録販売者であっても年収500万~600万円を得ることは難しくありません。中には、年収800万円や1,000万円を狙える企業もあります。

しかし求人選びを誤ると、年収500万円どころか年収400万円で頭打ちになってしまうケースがあります。高い給料を得るためには、慎重に求人を選ばなければならないのです。

そこで高収入を得たい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることでより良い条件で転職し、希望の年収を実現しやすくなります。


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