求人を探す上で給料の金額は大きな基準となります。そのため、給料・年収で転職先を決める人はかなり多いです。

ただ、収入を増やしたいのであれば給料の額面だけに捉われてはいけません。給料の掲示額が低い求人の中には、手当の支給が充実しており、最終的な手取り金額が高くなるケースがあるためです。

特に、家賃補助などの住宅手当は手取り金額に大きな影響を与えます。そのため少しでも収入を増やしたいのであれば、住宅手当にも注目して求人を探しましょう。

そこで登録販売者が住宅手当などを含め、手取りが高い求人を探すコツについて解説していきます。

住宅手当は無条件に手取り額を増やす

毎月会社から受け取っている給料の総支給額には、基礎給(基本給)だけでなく各種手当も含まれています。そのため支給される手当額が増えると、その分だけ受け取れる金額が大きくなります。

ただ各種手当のうち、通勤手当は通勤にかかった費用を補填するだけのものです。そのため、通勤手当が支給されても実質的な手取り金額が増えるわけではありません。

また残業手当はプライベートを犠牲にして残業しなければ支給されないですし、役職手当は責任のある仕事に就かなければ受け取れません。ほとんどの手当は、あなたが無条件で得をするものではないのです。

一方で住宅手当においては、生きるための必要経費である住宅費の一部が支給されます。そのため住宅手当が支給されると、無条件で「あなたが自由に使えるお金」が増えます。

例えば以下は、東京や神奈川、埼玉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人では住宅手当が月額1万円支給されます。この会社で働くと、働き方に関わらず年間で12万円ほど得することになります。そのため同じ基礎給の求人であれば、住宅手当が支給される案件を選ぶ方がお得であるといえます。

どの業態でも住宅手当求人はあるのか?

なお、住宅手当の支給は会社の義務ではありません。そのため住宅手当の有無は、職種や業態ではなく会社ごとに異なります。

例えば以下は、岩手や秋田、福島などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人では在宅手当が支給されます。一方で以下は、東京や神奈川、千葉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人だと住宅手当が支給されません。同じドラッグストア業態であっても、住宅手当の有無は会社によって異なるのです。そのため住宅手当があるかどうかは、それぞれの求人詳細を確認しなければ分かりません。

このとき登録販売者が働く小売業界には、住宅手当を支給する会社が多いです。また置き薬営業などの営業職も、住宅手当を出す会社があります。そのため基本的には、登録販売者資格を活かして転職する場合、求人を精査すれば住宅手当を受け取ることは可能です。

ただ登録販売者求人の中には、住宅手当の支給を期待できない業種があります。それは調剤事務です。

一般的に、調剤事務スタッフは有資格者でなければ就けないと思われがちですが、資格が必須の業種ではありません。実際、無資格で働いている調剤事務員は数多くいます。そのため、薬の基礎知識がある登録販売者は調剤事務スタッフになることもできます。

このとき、調剤事務は日祝休み・夕方退勤などの働きやすい条件が整っています。ただ、事務員に住宅手当が支給されるケースはほとんどありません。

例えば以下は、京都にある調剤薬局の求人です。

この求人は登録販売者を募集しています。ただ、諸手当の欄に「住宅手当」の記載がありません。この求人には住宅手当の支給がないのです。

そのため登録販売者資格を活かして調剤事務員になる場合、住宅手当の支給を期待しないのが無難です。

社宅手当(家賃補助)は非課税で支給される

なお通常、一般的に手当は課税対象となります。例えば残業手当や資格手当については、所得税を引かれた金額が支給されることになり、額面通りの金額を受け取れません。

ただ住宅手当の一種である社宅手当(家賃補助)の場合、額面通りの手当金額を受け取ることができます。社宅手当は課税対象外であるためです。

このとき家賃補助を利用するためには、会社が借り上げた物件に住む必要があります。そのため、住居に強いこだわりのある人には向きません。

ただ、社宅制度は家賃の3~8割が支給されます。例えば以下は、岩手や宮城、秋田などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は借上社宅制度が完備されており、家賃の50%を会社が負担してくれます。社宅制度を利用すると、月に数万円ほど自由に使えるお金が増えるのです。

また一般的に「社宅」というと、必要最低限度の物件であるイメージを持ちやすいです。ただ実際には、地域の一般的な家に住むことになるケースがほとんどです。

実際に私は引越しを伴う転勤によって何度か社宅制度を利用したことがありますが、住みづらい家に住んだことはありません。また階数や間取りなど、ある程度の希望を通してくれるケースがほとんどです。

そのため住居に強いこだわりがないのであれば、家賃補助を利用して働き、自由に使えるお金を増やしましょう。

手取りを多くする家賃補助求人の選び方

なお「単にお金を支給するだけの住宅手当」と「会社が家賃の一部を負担する社宅手当(家賃補助)」では、後者の社宅手当を利用する方がお得となります。一般的に住宅手当は1万~1万5,000円が相場であるのに対して、家賃補助であれば家賃の一部を自己負担するだけで済むためです。

例えば以下は、埼玉や千葉、愛知などに店舗を展開するドラッグストアのホームページです。

この企業は独身者赴任・単身赴任だと家賃の自己負担額が2割で済みます。家族帯同の場合でも、自己負担額は家賃の3割です。

一般的な住宅に住む場合だと、家賃補助の方が得する金額が多くなりやすいのです。そのため金銭的な面では、住宅手当よりも家賃補助の利用を選んだ方がお得です。

家賃負担を減らしたいなら転勤の有無を選べる求人

ただドラッグストアなどの小売企業で働く場合、基本的に社宅制度は転勤が発生する働き方でしか利用できない会社がほとんどです。そのため、転勤が発生しない求人や転勤なしの社員区分で働くと、社宅制度を利用できません。

実際に以下は、岩手や秋田、福島などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は転勤の有無を選択可能ですが、社宅制度(家賃補助)を利用できるのは転勤ありの社員区分のみです。転勤なしで働く場合、社宅制度を利用できません。

そのため手取りを増やす観点からいうと、転勤ありで働いた方がお得です。通常、転勤ありで働くと基礎給も高くなるため高い給料が欲しい人や自由なお金を増やしたい人は、転勤ありで働くといいでしょう。

ただ入社当初は転勤ありで働けたとしても、ライフステージの変化によって引越を伴う転勤が困難になるケースがあります。

このような場合に備えて「今は転勤可能だが、将来転勤できなくなる可能性がある人」は、転勤の有無を選べる求人を選ぶことをおすすめします。

例えば以下は、埼玉や愛知、奈良などに店舗を展開するドラッグストアのホームページです。

この求人は、転勤の有無が異なる3つの社員区分を選べます。このような求人を選べば入社時に社宅制度を利用して働けるとともに、必要に応じて転勤なしで働き始めることができます。

また反対に、転勤できない事由が解消された際に社員区分を変更し、社宅制度を利用することも可能となります。

家具・家電付き社宅や赴任手当で生活を楽にする

また家賃負担を軽くするために転勤あり求人を選ぶ場合、社宅制度の詳細や就任手当にも着目しましょう。求人を精査してこれらが充実した求人を選べば、生活費をかなり低く抑えられるようになるためです。

例えば以下は、東京や神奈川、愛知などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人では、家具・家電完備の借り上げ社宅について、水道光熱費含めて月3万円で入居可能です。また、入居の際の初期費用もかかりません。

このような求人を選べば、引越にかかる費用や生活費を数万円ほどに抑えることができ、自由に使えるお金を大きく増やすことが可能となります。

また以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの福利厚生についての記述です。

この企業は「社宅制度における自己負担額分」と同額の赴任手当が支給されるため、実質的に家賃負担なしで住むことが可能です。また赴任支度金の支給もあるため、転勤に伴い発生する引越しの経済的負担も少なくなります。引越し費用を安く済ませれば、手元にお金を残すことも可能となります。

実際に私は、転勤によって引越した際に会社から引越一時金として5万円が支給されました。引越に伴う交通費などは別途請求できたため、新居に合った家具を安く買いそろえることによって3万円ほど得することができました。

そのため転勤ありの会社に勤めるのであれば、社宅制度の詳細や赴任手当などが充実した求人を選びましょう。そうすることで、給料のほとんどを自由に使うことができるようになります。

転勤なし求人なら住宅手当の有無に執着しない

一方で、現段階で転勤不可能な登録販売者は、住宅手当の有無にこだわりすぎないことが大切です。基礎給や登録販売者の資格者手当を含めると、住宅手当がない求人の方が手取り額は高くなる可能性があるためです。

例えば以下は、東京や埼玉、神奈川などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は基礎給が「高卒18万円以上」「短大卒19万円以上」「大卒20万円以上」となっています。住宅手当が1万円、登録販売者の資格者手当が5,000円支給されるため、基礎給にプラスして月15,000円が支給されます。

これに対して以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は住宅手当が支給されませんが、基礎給が21万5,000円以上に加えて資格者手当が1万5,000円支給されます。住宅手当が支給されない求人であっても、基礎給や資格者手当などが高いと手取りの収入額が高くなるのです。

そのため転勤なしで働く場合、住宅手当にこだわりすぎず、総合的な給料の受取金額が高くなる求人を探すことが大切です。

転職サイトを利用して求人を探す

ただ、住宅手当などを加味して手取り金額が高くなる求人を自力で探すことは困難です。

求人案内には企業の制度のすべてが記載されているわけではありません。そのため、総合的に手取り金額が高くなる求人を見つけるためには企業研究の実施が必要不可欠です。ただ就職活動と異なり、転職活動では企業研究や求人の精査に多くの時間を割けません。

また入社時の手取り金額が高かったとしても、あなたに合わない会社へ入社すると昇給ペースが遅くなりやすいです。その結果、いずれは経済的に困窮することにつながります。

そこで手取り金額を少しでも高くしたい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトの担当者は、会社の制度などに精通しています。そのため転職サイトを利用すると、自力で探すよりも手取り金額が高くなる求人を見つけやすくなります。

また担当コンサルタントは、あなたと会社との間を取り持ってくれます。そのため転職サイトを利用すると、好条件での入社が叶いやすくなります。

ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは、最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、家賃補助などを利用してお得に働ける転職を実現しやすくなります。

まとめ

基礎給に上乗せされて支給される各種手当のうち、住宅手当は無条件で手取りが増える手当です。そのため、基本的には住宅手当のある求人を選ぶのがお得です。

特に社宅制度(家賃補助)のある求人を選ぶと、月に数万円ほど手取り額が増えることになります。そのため経済的負担を少しでも軽くしたいのであれば、家賃補助のある求人を選ぶことをおすすめします。

ただ登録販売者の場合、転勤なしで働くと家賃補助を利用できません。転勤なしでも住宅手当は受け取れますが、手当額の相場は1~1万5,000円です。そのため、転勤なしで働くのであれば住宅手当の有無に固執せず、基礎給や資格者手当なども含めて「最終的な手取り金額が多くなる求人」を探すことが大切です。

そこで手取り金額を少しでも高くしたい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、家賃補助制度や各種手当が充実したお得な求人への転職を実現しやすくなります。


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