就職が有利になる資格を取れば、社会経験が少なかったりブランクが長かったりする主婦であっても良い条件で働くことができます。そのため、資格を取得してから就職しようとしている主婦は多いです。
ただ「どのような資格であっても、取得すれば就職が有利になる」というわけではありません。資格の種類によっては取得しても就職に影響がなく、時間と費用が無駄になってしまうケースがあります。
このような中、登録販売者は主婦におすすめの資格です。そのため就職・社会復帰を目指す主婦は、登録販売者資格の取得を目指しましょう。
そこで、登録販売者資格が主婦におすすめな理由と、主婦が資格を活かして就職するコツについて解説していきます。
もくじ
登録販売者資格が主婦におすすめな理由
資格には、大きく分けて国家資格と民間資格の2種類があります。
これらのうち国家資格は、「資格がなければ就けない職」があるのが基本です。例えば医者や弁護士、薬剤師などは、免許がなければ就業することができません。そのため国家資格を持っていれば、特定分野での就職がかなり有利になります。
これに対して、民間資格は民間団体が認定する資格です。民間資格は特定の分野についての知識がある証明にはなるものの、「資格がなければ就けない職」が存在しないのです。そのため、就職を有利にするために資格を取得するのであれば国家資格を選ぶべきです。
このような中、登録販売者は市販薬を販売できるようになる国家資格です。そのため登録販売者資格を持っていると、小売業界へ就職しやすくなります。
無資格スタッフよりも給料が高くなる
また、登録販売者は「薬剤師に次ぐ薬のスペシャリスト」であるため、一般的に資格者手当も支給されます。そのため登録販売者資格を持っていると、一般スタッフよりも好条件で働くことができます。
実際に以下は、東京や神奈川、埼玉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
この求人では、登録販売者の資格保有者に月額5,000円の資格手当を支給しています。登録販売者資格を持っていれば、通常よりも高い給料をもらうことができるのです。
また病気とケガを完全に防ぐことはできないため、市販薬はどの地域であっても需要があります。そのため、市販薬の販売店は人口の少ない地方でも存在します。登録販売者の資格者の働き口は、全国各地にあるのです。
そのため登録販売者資格を取得すれば、パートナーの転勤によって引っ越しても就職先を見つけやすくなります。
パートであっても給料が高い
また、家庭の事情によって正社員ではなくパートとして働く場合であっても、登録販売者資格を持っていると好条件で働くことができます。
実際に以下は、神奈川・横浜にあるドラッグストアの一般パート求人です。
この求人は時給が1,011円でとなっています。これに対して、以下は同じ店舗の登録販売者求人です。
この求人は時給1,101円です。登録販売者資格を持っていると、同じ店舗で働いても時給が90円高くなるのです。そのため登録販売者資格は、パートで働くつもりの主婦にもおすすめです。
経験・ブランク不問求人が多い
また、主婦の中には社会人経験が浅かったりブランクが長かったりする人もいるでしょう。一般的に、年齢なりの社会人経験がない人やブランクが長い人は、転職市場での価値が低いです。
ただ、登録販売者の主な就職先である小売業界は実力主義の会社がほとんどです。そのため小売業界では経歴・ブランク不問求人が多く、「良い数値を出せそうな人材である」と判断されれば社会人経験の少ない主婦でも採用されます。
実際に以下は、東京や神奈川などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
この求人では、過去の雇用形態やブランク、実務経験などは問わないと記されています。登録販売者資格を取得すれば、経歴・ブランク不問の求人に応募しやすくなるのです。
また、ドラッグストアなど小売店の主なターゲットは家計を担う主婦です。そのため、主婦の登録販売者はターゲット層の心理を理解できます。主婦としての経験は、小売店での売り場作りにも活かせるのです。
実際に私の知り合いには、主婦としての経験・感覚を活かして売り場を作り上げ、高い実績を出している人が何人もいます。登録販売者資格を活かして主婦が小売業界へ就職すると、「数値を生み出す価値の高い人材」となれる可能性があるのです。
主婦でも独学で取得できる
ただ国家資格の中には、専門の大学などに通う必要がある取得難易度の高いものが多いです。そのため、「今さら国家資格(=登録販売者)は取れない」と思っている主婦はかなり多いです。
このような中、登録販売者は通学することなく取得できる国家資格です。
登録販売者資格は、毎年行われている登録販売者試験に合格すれば取得することができます。そのため、資格取得のために学校へ通ったり通信教育を受けたりする必要はありません。
また、登録販売者試験は独学で受かることも可能です。試験対策の書籍は一般販売されていますし、インターネット上には勉強のコツなどの情報があふれています。
実際に私は、働きながら独学で登録販売者資格を取得しました。また私の知り合いには、本屋で購入したテキストで勉強し、2年かけて独学で資格を取得した主婦もいます。
登録販売者は就職を有利にするだけでなく、取得しやすい国家資格なのです。そのため就職のために資格取得を考えているならば、登録販売者資格を選ぶことをおすすめします。
主婦が登録販売者として就職するコツ
ただ当然ながら、「登録販売者資格を持っていれば誰でも容易に就職できる」というわけではありません。資格を持っていても、「うちの会社には貢献できない」と判断されると不採用となります。
特に、面接などで「資格を持っているのだから、勤務時間や曜日などを優遇してほしい」などの傲慢な考えが伝わると、確実に不採用となります。
そのため主婦の登録販売者は「家庭を優先しなければならないので働き方に制限はあるが、その分だけ一生懸命貢献したい」と謙虚な気持ちを伝えることが大切です。
また前述のように、主婦としての「小売店で買い物した経験」は小売業界での勤務に活かしやすいです。そのため面接時に「顧客の気持ちがわかる」という点をアピールすると面接官に好印象を与えることができます。
特に、「自分はなぜこの商品を買ったのか」という分析ができていると、より良いアピールポイントになります。
基本的に、ほとんどの買い物は衝動的に行われます。また、小売店の利益の多くは「衝動買い」に支えられています。そのため、衝動買いを促せる売り場を作れる人は高い実績を生み出すことができます。
例えばあなたが直近で購入した商品は、その商品が欲しくて買ったのでしょうか? それとも、「新商品だから」「たまたま目についたから」「口コミで人気だから」という理由で買ったのでしょうか?
このように「自分が商品を買った理由」を突きつめて分析できると、顧客の購買意欲を刺激できる売り場を作り上げることができます。
そのため登録販売者資格を活かして就職したいのであれば、普段から自分の購買意欲や売り場の構成などに目を配りましょう。そうして、あなたの実体験を踏まえて論理的に「顧客目線で仕事ができる」とアピールするといいです。
登録販売者資格を取得する前からドラッグストアで働く
なお、これから登録販売者資格を取ろうと考えている人の多くは、資格を取得してからドラッグストアで働こうとするケースがほとんどです。
ただ、登録販売者として働くつもりなのであれば、資格を取得する前からドラッグストアで働くことをおすすめします。登録販売者としての実務経験は、資格取得前から積むことができるためです。
具体的にいうと、登録販売者資格の状態には「正規」と「研修中」の2種類があります。
これらのうち正規の登録販売者とは、「過去5年以内に2年以上の業務・実務経験のある(管理者要件を満たした)資格者」のことを指します。正規の資格者は一人で市販薬の販売を行うことができます。
要は、ドラッグストアなどでの勤務経験が2年以上あれば、一般用医薬品を販売できる正規の登録販売者へと格上げになります。
これに対して研修中の登録販売者(試験に合格しただけの人)だと、業務・実務経験が足りず管理者要件を満たしていない資格者であり、一人で市販薬の販売ができません。そのため正規の資格者よりも需要が低く、給料や手当などの金額も低いです。
例えば以下は、北海道にあるコンビニエンスストアの登録販売者求人です。
この求人は、管理者要件を満たしている登録販売者しか募集していません。研修中の登録販売者は応募できないのです。
また以下は、東京や千葉、愛知など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。
この求人は登録販売者の資格手当を月額1万5,000円支給しています。ただ研修中(経験2年未満)の登録販売者の場合、資格者手当が5,000円まで減額されます。
研修中の登録販売者は正規の資格者よりも需要が低く、待遇も悪いのです。そのため登録販売者として働くのであれば、なるべく早く正規の資格者を目指すのがお得です。
このとき、管理者要件における業務・実務経験は登録販売者資格の取得前にも積むことができます。
例えば一般スタッフとしてドラッグストアで2年間働いた人が登録販売者試験を受けた場合、試験に受かると同時に正規の資格者となることができます。
またドラッグストアで1年間経験した人であれば、登録販売者試験に合格後にもう1年勤続すれば正規の登録販売者となることができます。
登録販売者試験を受験する前からドラッグストアで働いていると、早いタイミングで正規の登録販売者となることができるのです。
主婦が働ける登録販売者求人の選び方
なお、主婦は独身の人よりも働き方に制限を生じます。例えば主婦が残業の多い仕事に就くと、家事などに時間を割けなくなり家庭が回らなくなりやすいです。
またパートナーが主な働き手である以上、転勤によって引っ越すこともできません。子供がいれば、帰宅時間が夜遅くになる仕事もできないでしょう。主婦はプライベートを優先できる求人を探さなければならないのです。
子育てしながら働けるドラッグストアもある
このとき登録販売者の主な就職先は、市販薬を販売する業態であるドラッグストアです。ただ、ドラッグストアの多くは転勤・残業が発生しやすいです。そのため、登録販売者の仕事は主婦に向かないと思っている人は多いです。
ただ、ドラッグストアの中には、子育てしている主婦でも働きやすい求人があります。例えば以下は、東京や愛知、大阪などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
この求人は残業が月10時間と少なめで、時短勤務などの子育てをしやすい環境が整っています。また育児休業の利用率が99.2%となっており、実際に子育てママが多く勤務していることがわかります。
実際に、私が過去に勤務していた職場には子育て中の主婦がたくさん働いていました。一般的に主婦が働きづらいと思われがちな小売業界であっても、働きやすさを優先して勤務することは可能なのです。
調剤薬局でプライベートの時間を大切にする
また主婦の登録販売者には、調剤薬局での勤務もおすすめです。
一般的に、調剤薬局は「調剤事務の資格を持っていなければ働けない」と思われがちです。ただ実際には、調剤事務の資格は民間資格です。つまり、調剤事務の仕事に資格は必要ないのです。実際、無資格で働いている調剤事務のスタッフはかなり多いです。
また調剤薬局のほとんどは、市販薬も取り扱っています。そのため、市販薬を取り扱える登録販売者を優遇採用している調剤薬局は多いです。
さらに、調剤薬局は主婦が働きやすい条件がそろっています。
例えば、調剤事務には転勤がありません。また調剤薬局は閉局時間が決まっているため、残業が発生しにくいです。さらに平日は夕方までの勤務を固定化でき、日曜祝日は定休日となります。
実際に以下は、京都にある調剤薬局の求人です。
この求人は調剤事務員として登録販売者を募集しています。また勤務時間は9~19時までで日曜・祝日は定休日です。土曜日は出勤であるものの、昼までの勤務です。
登録販売者資格を活かして調剤事務に就くと、家庭を最優先とした働き方が可能となるのです。
転職サイトを利用して求人を探す
ただ、主婦が働きやすい登録販売者求人を自力で探すのは難しいです。
求人案内を見るだけでは、会社の制度や特徴などをすべて知ることはできません。そのため、主婦に適した求人を見つけるためには、さまざまな角度から企業研究しなければなりません。
ただ主婦は家事や育児などで自由な時間が少ないため、求人探しに割く時間を取りづらいです。特に、これから登録販売者資格を取ろうとしている人は勉強時間も確保しなければなりません。
そこで登録販売者として働きたい主婦は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。
転職サイトの担当者は会社の制度や内情などを踏まえた上で、膨大な数の求人からあなたに適した案件を紹介してくれます。そのため転職サイトを利用すると、主婦が働きやすい会社へ入社しやすくなります。
ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため、転職サイトは最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、より働きやすい環境で勤務することができます。
まとめ
登録販売者は主婦におすすめの資格です。市販薬を販売できるようになる資格であるため、ドラッグストアなどの小売業界での就職が有利になるからです。
また、登録販売者資格は独学で取得することができます。そのため就職・転職を有利に進めるために資格を取るのであれば、登録販売者資格を取得しましょう。
ただ、主婦はプライベートを優先して働かなければなりません。そのため、転勤なし・残業なしなどの「働きやすい求人」を探す必要があります。
そこで主婦の登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、主婦業と仕事を両立することが可能となります。
登録販売者が転職を行い、求人を探すにしても自分一人で行うのは現実的ではありません。そこで、ほとんどの人が転職エージェントを活用します。
転職サイトを利用すれば、「年収の交渉」「希望の勤務地」「労働時間の調節」を含めてすべて代行してくれるようになります。
しかし、転職サイトによって「地方在住者でも事前面談に対応している」「40代以上でも利用可能」など特徴に違いがあります。人気の転職エージェントの中でも、これらの特徴を理解したうえで、どの転職サイトを利用すればいいのか検討しなければいけません。
そこで当サイトでは、転職サイトごとの特徴について解説しています。転職では2~3社以上に登録して活動するのが基本になるものの、どの転職エージェントを利用すればいいのか理解したうえで以下のページから比較検討し、転職サイトへ登録するようにしましょう。