登録販売者は市販薬を販売できるため、薬の取扱店(=小売業)で需要度の高い資格です。

ただ小売店は基本的に、土日などの休日も営業しています。また納品や陳列などの作業のために体力を使いますし、売上の責任を負う必要もあります。そのため登録販売者の中には小売業を辞めたいと思っている人もいます。

このような人におすすめなのが、テレフォンオペレーターなどのデスクワークです。オフィスでの仕事には、小売店勤務にはないメリットがたくさんあります。登録販売者がオフィスワークを選ぶと、小売業では不可能な働き方が可能となるのです。

そこで、登録販売者がデスクワークする場合の仕事内容と求人の選び方について解説していきます。

登録販売者が内勤することは可能なのか?

登録販売者の求人は、ドラッグストアなどの薬の取扱店が多いです。登録販売者を雇えば、店舗で薬を取り扱うことが可能となるためです。

ただ登録販売者資格を取得しているということは、薬に対する基本的な知識を有していることを意味します。このような知識は、薬を取り扱っている実際の販売店だけではなく、薬をインターネットで購入する人のための相談員としても活かすことができます。

コールセンターでテレフォンオペレーターとして働く

使用方法を誤ったり、合わない体質の人が服用したりすると、重篤な問題が起こるリスクがある商品が薬です。ただ基本的に、顧客は薬に対しての知識がほとんどありません。そのため、初めて使う薬を購入する際には「専門家に相談したい」と思う顧客がほとんどです。

このような顧客のために、薬をインターネット販売する店舗には電話の相談窓口を設けるように規定されています。実際に、薬のネット販売を行っている会社は相談専用のコールセンターを設けていることが多いです。

当然のことながら、コールセンターでの薬の相談は薬の知識のある専門家しか対応することができません。そのため薬の相談窓口の担当となるテレフォンオペレーターは、登録販売者などの資格者である必要があります。

実際に以下は、東京にあるコールセンターの求人です。

ここには、「応募するためには登録販売者資格の保有が必須である」ことが記されています。登録販売者資格はコールセンターで働く際にも活かすことができるのです。

基本的にコールセンターでは、顧客からの問い合わせや商品注文などの電話を受ける業務(インバウンド業務)やフォローコールなどの発信業務(アウトバウンド業務)を担うことになります。

コールセンターは研修制度が充実している企業が多く、オペレーター未経験でも問題なく働き始めることができます。

ただ登録販売者がコールセンターで働く場合、店舗での接客よりも正確な言葉遣いを意識する必要があります。テレフォンオペレーターは声だけで接客するため、誤った敬語を使うなど言葉遣いが不正確だと、顧客は不快に感じるからです。

医薬品ネット販売の受注業務

薬のネット販売に関わる業務は、コールセンターだけではありません。注文の処理や発送、顧客からの問い合わせメールへの返信などの業務もあります。ネット販売商品の受注業務も、コールセンターと同様に内勤となります。

登録販売者がコールセンターで働く場合、商品発送などの仕事もあるものの電話の受発信業務が主な仕事となります。一方でネット販売の受注業務では、電話を受けることもありますが基本的にはパソコン作業となります。

具体的には商品の注文を受け、その後の問い合わせメールの返信などが主な仕事となります。そのためネット販売の受注業務では、正しい言葉遣いよりもパソコンスキルが必要となります。

このときドラッグストアなどの実店舗では、パソコンを使う機会があまりありません。そのため小売店でしか働いたことのない人は、エクセルやワードなどの一般ソフトが使えないこケースが多いです。

ただネット販売の受注業務につくためには、このような一般ソフトが使える必要があります。実際に以下は、静岡にある医薬品・化粧品をネット販売している会社の求人です。

ここには、必須条件として登録販売者(または薬剤師)であることとインターネットやメールなどの基本知識があること、エクセルが使用できることなどが記されています。つまり、基本的なパソコンスキルがないとネット販売の受注業務に就くことができないのです。

そのため登録販売者資格を生かしてデスクワークしたいのであれば、基本的なパソコンスキルを身につけておく必要があります。

登録販売者がデスクワークへ転職するメリット

登録販売者資格が活かせる内勤は、どれも医薬品販売に関わるものです。ただ同じ薬の販売に関する仕事であっても、デスクワークと実店舗の勤務では、働き方や求人内容などが大きく異なります。内勤には現在小売業を離れたいと思っている人にとって多くのメリットがあるのです。

例えばドラッグストアなどの小売業では、転勤があることがほとんどです。同じ店舗で長期間働いていると感性が鈍ってスキルアップできなくなったり、癒着・不正が起こったりしやすくなるためです。

これに対して、オフィスワークは転勤なしが基本です。例えば以下は、東京にあるコールセンターの登録販売者求人です。

ここには、転勤がないことが明記されています。登録販売者資格を生かしてオフィスで働くと、小売業では困難な転勤なしを実現することができるのです。

他にもデスクワークには、以下のようなさまざまなメリットがあります。

土日祝休み・残業なしを実現できる

ドラッグストアなどの薬の取扱店は、土日祝日も営業しているケースほとんどです。むしろ、土日祝日は来客数が多いため休みが取れないのが基本です。

これに対して薬のネット通販に関わるデスクワークでは、土日祝日が定休である場合が多いです。

実際に以下は、医薬品ネット販売会社の登録販売者求人です。

ここには、土日祝日が定休であることが記されています。登録販売者資格を活かしてデスクワークに就くと、小売業では不可能なカレンダー通りの休日を実現することができるのです。

またドラッグストアは営業時間が長いため、残業を生じる可能性が高いです。特に勤務時間が夕方までである場合、店舗が営業している時間に退勤することとなります。そのため退勤のタイミングで顧客対応が生じると、残業を避けることができません。

これに対して内勤では、絶対に残業しなければならない状況がほとんど発生しません。そのため登録販売者がオフィスで働く場合、残業なしを実現できるケースが多いです。

実際に以下は、神奈川にあるコールセンターの登録販売者求人です。

ここには、残業がないことが明記されています。登録販売者がコールセンターで働くと、小売業ではほぼ不可能な残業なしを実現できるのです。

そのため家庭の事情などで土日に休む必要があったり残業できなかったりする人は、コールセンターや事務などのオフィスワークを選ぶことをおすすめします。

50代以上でも年齢に関係なく働ける求人がある

登録販売者は薬を取り扱える資格であることから、一定以上の年齢になっても採用されやすい特長があります。

ただドラッグストアなどの販売店は品出しや陳列などの体力を使う作業があるため、体力のある若い人を優先的に採用する傾向にあります。また年齢を重ねた人には、ドラッグストアでの仕事をつらく感じることでしょう。

これに対してオフィスワークは、基本的に座ったままで仕事を続けることになります。そのため年齢を重ねた人でも採用されやすく、体力の心配なく働けます。

特にコールセンターでは複雑なパソコン作業がありません。そのため、テレフォンオペレーターはミドル層が比較的多い業種です。

実際に以下は、大分にあるコールセンターの求人です。

ここには登録販売者が再雇用制度で65歳まで働けることと、応募の年齢制限がないことが記されています。コールセンターでは、50代以上のミドル層も働きやすい環境なのです。

そのためドラッグストアなどの体力を使う仕事に不安を感じる場合は、コールセンターのようなオフィスワークを選ぶことをおすすめします。

研修中でも働ける求人がある

登録販売者が薬を販売できるようになるためには、過去5年以内に2年以上の実務・業務経験が必要です。これを満たせなければ、研修中の登録販売者となります。

研修中の登録販売者は薬の接客はできるものの、自分一人で薬を取り扱うことができないため需要が少ないです。実際に、研修中の登録販売者を採用している薬の販売店は限定されています。

ただコールセンターの登録販売者求人は、研修中でも応募できるケースが多いです。これは、医薬品相談を受けるコールセンターには多数の資格者が在籍しているためです。

例えば以下は、東京にあるコールセンターの登録販売者求人です。

ここには、未経験の登録販売者も応募できることが記されています。コールセンターは研修中の登録販売者でも働けるケースが多いのです。

またドラッグストアのネット販売店舗での勤務も、研修中可であることが多いです。例えば以下は、東京や大阪などの全国に店舗を展開するドラッグストアのネット事業部求人です。

ここには、研修中の登録販売者は手当額が減少すると記載されています。つまり、研修中の登録販売者でも働くことができるのです。このようなことからオフィスワークは、研修中の登録販売者が働ける求人が多いといえます。

登録販売者が内勤するデメリット

オフィスワークには、小売店のスタッフとしての勤務にはないさまざまなメリットがあります。そのため現在小売業を脱したいと思っている人は、デスクワークに強い魅力を感じていることでしょう。

ただ長年同じ環境に身を置いていると、良いところが見えにくくなってくるものです。オフィスワークにさまざまなメリットがあるのと同様に、小売店勤務にもデスクワークにはないメリットがあります。

このような点を認識せず小売店スタッフからオフィスワークへ転職すると、就職後に後悔しかねません。そのためデスクワークへの転職を考えているのであれば、内勤のデメリットも知っておくことが大切です。

コールセンターでは待機時間が生まれることがある

ドラッグストアなどの販売店での仕事は、「何もしない時間」が生まれることはまずありません。どんなに暇であっても、前出しや掃除などをして時間を潰すことができます。

これに対してコールセンターでは、何もすることがない待機時間が生まれることがあります。

例えばコールセンターでのインバウンド業務では、顧客からの電話をいつでも受け付けられるように受信ブースで電話を取る準備をして待機します。

このとき、問い合わせや注文などの電話がなければ仕事がありません。暇なタイミングでは、ただひたすら顧客からの電話を待ち続けることになります。

また、アウトバウンド業務では顧客にフォローコールを入れます。ただ、電話をかけてもがつながらないことがあります。

そのため場合によっては、電話がつながるまでひたすら待ち続けることになります。このようなことからコールセンターで働く場合、何もすることができない待機時間があることを覚悟する必要があります。

業務内容によっては営業力が必要となる

コールセンターの業務には、発信業務もあります。実際に以下は、東京にあるコールセンターの登録販売者求人です。

ここには注文の対応だけではなく、定期的なカウンセリングによるフォローコール業務があることが記されています。

このときフォローコールをするのは、商品を購入した人だけではありません。商品の問い合わせをした人(=購入する可能性がある人)にも電話をかけます。

このときオペレーターがうまく対応できなければ、見込み客を逃してしまうことになります。そのため発信業務を担うテレフォンオペレーターには、検討段階の見込み客を購買につなげるトーク力が必要となるのです。

多くの場合、テレフォンオペレーターにノルマが課せられることはありません。ただ「見込み客を何度も逃すオペレーターよりも、購買につなげる力のあるオペレーターの方が重宝される」のは言うまでもありません。

実際に、見込み客へのフォローコールを購買につなげることができないオペレーターは、昇給・昇格できない可能性が高いです。場合によっては、会社にいづらくなったり業績悪化の際に退職を迫られたりすることも考えられます。

そのため登録販売者がコールセンターで働く場合、営業スキルを求められるケースがあることを覚えておきましょう。そのため、こうした仕事が嫌な場合はフォローコールのない求人を選択するといいです。

転職サイトを利用して内勤求人を探す

小売店勤務ではほぼ不可能な「カレンダー通りの休みや転勤なし」などを、オフィスワークでは実現することができます。また座ったままでの仕事であるため、体力がない人でも仕事をこなすことができます。そのため小売店勤務をつらく感じる登録販売者は、オフィスワークへ転職したいと考えることでしょう。

ただ内勤の登録販売者求人はかなり少なく、自力でオフィスワーク求人を探すことは難しいです。そこで、オフィスで働きたい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトのコンサルタントは、未公開求人をたくさん抱えています。そのため転職サイトを利用すると、自力では見つけ出せない求人も含め、多くの案件からあなたに適した求人を紹介してくれます。

ただ担当コンサルタントの力量や抱えている案件などには、転職サイトによって差があります。そのため、転職サイトは最低でも3社以上利用しましょう。そうすることで、より希望に沿った求人を見つけ出しやすくなります。

まとめ

登録販売者は薬を販売できる資格であるため、ドラッグストアなどの薬の販売店にしか需要がないと思われがちです。ただ実際には、コールセンターなどのオフィスワークで活かすこともできます。

コールセンターや事務などの内勤では、基本的に土日祝日が定休となります。また、転勤・残業なしを実現することも可能となります。このような点は、多くの登録販売者にとってメリットとなるでしょう。

ただ登録販売者のデスクワーク求人はかなり少ないです。自力では求人を内勤の登録販売者求人を見つけ出せない可能性が高いのです。

したがってデスクワークに従事したい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることでオフィス勤務が可能となり、プライベートを充実させながら働くことがでるのです。


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