日本には、さまざまな国からの旅行者が訪れます。その中でも特に多いのは、隣の国である中国からの観光客です。そのため、観光地の小売店では中国語を話せる人材が重宝されます。

また中国語は中国だけでなく、シンガポールやマレーシアなどでも用いられることがあります。そのため、中国語を話せる人はアジア各国からの旅行者に対応できる有用な人材となります。

中でも、中国語を話せる登録販売者は希少です。そのため中国語スキルのある登録販売者は、観光地のドラッグストアや免税店などで需要が高いです。

そこで、登録販売者が中国語を活かして転職するコツについて解説していきます。

日本のドラッグストアは中国人に人気が高い

中国からの観光客は、日本の日用品・消耗品などをおみやげとして購入していきます。特に薬や化粧品などの人気が高く、観光地のドラッグストアには多くの中国人観光客が訪れます。

通常、韓国や台湾などから訪れる観光客には簡単な英語が通じます。一方で中国人観光客だと、中国語しか通じない人が多数います。そのため観光地の小売店は、中国語を話せるスタッフを雇用して中国人対応できる体制をとっているケースが多いです。

ただ、薬の接客は通常よりも高度なコミュニケーションを必要とします。顧客に合った薬を販売するためには症状などを詳細にヒアリングしなければならないですし、薬の効果や使用方法などを正確に伝えなければなりません。

このような状況で薬の接客に慣れていないスタッフが通訳に入ると、質問の意図をくみ取れず情報を正確に伝えられないケースがあります。

実際に、私は観光地のディスカウントストアで登録販売者として勤務していた経験があります。ある日、英語を話せない中国人観光客が薬を求めて来店したため、入社間もない中国人スタッフを介して接客をしていました。

ただ、中国人スタッフは薬の接客について無知で日本語力も高くなかったため、こちらの質問の意図を正確にくみ取ることができませんでした。

そのため接客に長い時間を要し、登録販売者と中国人スタッフが他の顧客に接客できない状況となりました。これにより、多数の売り逃しが発生してしまったのです。

特に、中国人観光客は団体で来店するケースが多いです。このような状況で接客に時間がかかると、大きなチャンスロスを生んでしまいます。

このような事態は、登録販売者本人が中国語を話せれば解決します。登録販売者が中国語で接客できると、中国人対応がスムーズになり、売り逃しを防止することができるのです。

そのため、中国語を話せる登録販売者は観光地などに立地するドラッグストアなどで活躍することができます。

どの程度の中国語スキルがあればいいのか?

このとき、あなたが中国語ネイティブと同じスピードで話せるのであれば「中国語を話せるので、問題なく中国人に対応できる」と胸を張っていえるでしょう。

一方で「早い中国語会話にはついていけない」「単語を思い出しながらでなければ中国語を話せない」というレベルの人は、自信をもって「中国語を話せる」とは言いづらいでしょう。

このような人の中には「仕事で活かせるほどの語学力がない」と思い込み、中国語スキルを活かした転職をしようとしないケースがあります。ただ、それだと非常にもったいないといえます。

ドラッグストアの接客は日常会話レベルの中国語で十分

実際のところ、会話ペースが遅くても中国語で日常会話をこなせるのであれば店舗勤務には十分です。店舗での接客はフリートークではなく、一定のフローチャートに沿って行われるためです。

例えば痛み止めを求める中国人に接客をする際、「どこが痛いのか」「どの程度痛いのか」を確認します。またアレルギーの有無を聞いて適切な薬を選び、「空腹時に飲まない」などの注意事項を伝えます。

そのため、これらの言い回しを覚えれば中国語で鎮痛剤の接客をすることが可能です。外国語での薬の接客は、固定の表現(言い回し)を覚えれば対応可能なのです。

また、こちらの質問に対する顧客の回答も限定されます。例えば「どこが痛いですか」と聞けば、「頭」「腹」などの痛い箇所の固有名詞を応えてくれます。そのため、日常会話レベルの中国語を話せれば十分にヒアリング可能です。

特に、中国人観光客は中国語ネイティブです。私たち日本人が外国人のつたない日本語でも意味をくみ取れるのと同様に、中国人は簡単な中国語でも理解できます。

参考までに、私は中国語を話せませんが、日常会話レベルの英語を話すことができます。複雑な会話はこなせませんが、決まった構文と症状・薬の単語を覚えるだけで英語の接客を問題なく行っていました。店舗で外国人観光客に対応する場合、高度な語学力は必要ないのです。

ビジネスレベルの中国語力があれば海外事業に挑戦可能

またビジネス会話をこなせるほどの中国語力があるのであれば、海外事業に挑戦することも可能です。ドラッグストアなど小売店の中には、中華圏に店舗を展開している企業があるためです。

例えば以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアのホームページです。

ここには上海に店舗を展開しており、東アジアに店舗を拡大する予定があるとなっています。中華圏に店舗を展開するためには、現地の中国人と高度なコミュニケーションをとれる人材が必要です。ビジネスレベルの中国語を話せる人は、小売店の海外事業に携わることが可能となるのです。

実際、私が過去に勤めていた店舗に語学力の高い中途社員が入社したことがありました。彼は中国への留学経験があり、ビジネスレベルの中国語を話せました。

彼は1年間の店舗勤務を経て、本社のインバウンド部門に配属となりました。その数年後、海外事業の責任者にまで上り詰めました。中国語を話せる正社員(=ライバル)が少なかったため、短期間で責任ある立場へ昇格していったのです。

そのためビジネスレベルの中国語を話せる人は、語学力を活かせる求人で早期キャリアアップを狙うことも視野に入れるといいでしょう。

中国語を話せる登録販売者の転職求人選び

なお、中国語を活かせる登録販売者求人は小売店だけではありません。中国は隣国であり市場も大きいため、さまざまな業態が事業を展開しています。そのため、中国語は小売業以外でも活かすことができます。

実際に物流求人の中には、中国へ事業展開しており中国語を話せる人を優遇しているケースがあります。例えば以下は、茨城にある物流センターの登録販売者求人です。

この求人は中国語スキルの高い人を歓迎しています。登録販売者の中国語スキルは、店舗だけでなく物流センターで活かせるケースもあるのです。

中国語スキルに自信がない登録販売者はドラッグストアの免税店

ただ、小売店以外の登録販売者求人は数が少ないです。そのため、地域・時期によっては物流求人を見つけられないケースがあります。

一方でドラッグストアなどの小売店では、中国語を活かせる登録販売者求人を見つけやすいです。特に、免税店は登録販売者が中国語スキルを活かしやすい業態です。

例えば以下は、大阪にある免税店の求人です。

この求人は外国人観光客向けの店舗であり、中国語を活かせるとなっています。市販薬を扱っている免税店であれば、登録販売者が中国語を活かして転職することが可能なのです。

また基本的に、免税店には外国人スタッフが在籍しています。そのため中国語対応に不安を感じた場合であっても、店舗スタッフに教えてもらうことが可能です。

したがって、免税店は「日常レベルの中国語しか話せない」という登録販売者でも働きやすい業態だといえます。実際に以下は、東京にある免税店の登録販売者求人です。

この求人は、中国語を話せる人を優遇している一方で「中国語を勉強したい人にもおすすめ」となっています。そのため中国語スキルに自信がない人は、免税店の求人を選ぶといいでしょう。

ドラッグストア以外ならディスカウントストアや家電量販店

また、登録販売者が中国語を活かせるのは免税店だけではありません。「市販薬の取り扱いがあり、観光客需要の高い一般小売店」でも活かすことができます。

特に、薬を扱っているディスカウントストアや家電量販店などは外国人観光客の多い店舗がほとんどです。これらの業態は、外国人需要のある店舗でしか市販薬を取り扱わないためです。

ドラッグストア以外の小売店は、薬の売上比率が低いです。そのため、資格者の在籍数をギリギリに絞って薬売り場を運営しています。

また、ドラッグストア以外の店舗では登録販売者が薬売り場に張り付いて仕事することになります。ドラッグストア以外の店舗は薬売り場でしか薬を売れないためです。

実際に以下は、北海道にあるホームセンターの店内です。

ここには医薬品専用レジが設置してあり、医薬品を購入する人はこのレジで精算するように案内されています。そのため、市販薬販売の責任者である登録販売者は、原則的に薬売り場以外で仕事ができません。

このような状況では、薬の売上が低いほど人件費の割合が高くなっていきます。そのため、売上・利益など数値管理に厳しいディスカウントストアや家電量販店などは、市販薬需要の高い店舗でしか薬を扱いません。

つまり、外国人観光客に需要の高い店舗でしか薬を販売しないのです。そのため基本的に、ディスカウントストアや家電量販店などで働く登録販売者には外国人対応が発生します。

そのため中国語を活かして働きたい登録販売者は、ディスカウントストアや家電量販店も視野に入れて求人を探しましょう。

例えば以下は、北海道や東京、沖縄など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は語学力を活かせるとなっています。中国語を話せる登録販売者は、ディスカウントストアや家電量販店などでも活躍できるのです。

店舗を海外展開する小売企業でビジネス中国語を活かす

さらにあなたが高い中国語スキルを活かした業務に就きたいのであれば、中華圏に店舗を展開する会社を選ぶこともできます。このような会社へ転職すれば、語学力を活かしてやりがいのある高度な業務に就くことができます。

例えば以下は、東京や愛知、大阪など全国に店舗を展開する大手ディスカウントストアの求人です。

この求人は中国事業を任せられる人材を募集しています。また小売業経験者を歓迎しているため、登録販売者の業務経験を活かせます。このような求人を選べば、高度な中国語スキルと登録販売者資格の両方を活かした転職が可能となります。

転職サイトで中国語を活かせる求人を探す

ただ、中国語を話せる登録販売者の求人を自力で見つけるのは難しいです。

そもそも、中国語を話せる登録販売者の数はかなり少ないです。そのため、企業が「中国語を話せる登録販売者」に限定して求人を出しても応募が集まりにくいです。最悪の場合、応募者がゼロとなって経費が無駄となってしまう可能性もあります。

そのため、中国人観光客の多い免税店であっても「登録販売者の資格保有者」と「中国語対応スタッフ」を別に募集しているケースがほとんどです。「中国語を話せる登録販売者」という限定された求人はかなり少ないのです。

そこで中国語スキルを活かしたい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトの担当者は、未公開を含めた膨大な数の求人からあなたに合った案件を紹介してくれます。そのため転職サイトを利用すると、自力で探すよりも中国語スキルを活かせる求人を見つけやすくなります。

また転職サイトの担当者は、あなたと会社との間を取り持ってくれます。担当コンサルタントがあなたの中国語スキルを会社へ訴求し、好条件での入社が叶いやすくなるのです。

ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは、最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、より好条件での入社を実現しやすくなります。

まとめ

中国人観光客には、日本の薬をおみやげに購入する人が多いです。そのため中国語を話せる登録販売者は、観光地のドラッグストアやディスカウントストアなどで需要があります。

またビジネスレベルの中国語を話せるのであれば、アジア圏での海外事業でも活躍することができます。中国語を話せる登録販売者は高度でやりがいのある仕事に携わることもできるのです。

ただ「中国を話せる登録販売者」という限定された求人はほとんどありません。そのため、自力で中国語と登録販売者資格の両方を活かせる求人を見つけることは困難です。

そこで中国語を活かして転職したい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、中国語のスキルを活かした転職を実現しやすくなります。


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