男性は女性と異なり、結婚や出産などライフステージの変化による働き方の変化が起こりにくいです。そのため継続して勤務することによって有用なスキル・経験を得やすく、理想のキャリアを築きやすいです。

ただ一方で、男性は女性よりも「年齢なりのキャリア・年収」を求められやすい面もあります。年収や役職などが世間からの評価対象となりやすく、年齢に応じたキャリアを積んでいないと「人間性に問題がある」とみなされるケースもあります。

男性はキャリアの積み重ね方に注意して就業・転職しなければならないのです。

それでは、男性の登録販売者は資格者としてキャリアを形成することはできるのでしょうか? また男性の登録販売者が有用なスキル・キャリアを積み上げるためには、どのようにして求人を選べばいいのでしょうか?

ここでは、男性登録販売者の求人選びについて解説していきます。

男性の登録販売者がキャリアを積めない職種

登録販売者は市販薬を販売できる資格であるため、「薬を一般客に販売する業態」である小売業界で需要が高いです。そのため小売業界は、登録販売者の主な就職先となっています。

このとき、登録販売者資格は調剤事務やコールセンターなどの内勤でも活かせます。ただ、これらは女性の職場であり、基本的に男性の需要はありません。

また仮に採用されたとしても、事務職ではキャリア形成に有利なスキルを磨けません。したがって登録販売者資格は調剤事務やコールセンターなどの内勤で活かせるものの、男性がこれら職種へ転職するのは現実的ではありません。

ドラッグストア以外の小売店はキャリアが頭打ちになるリスク

また小売業界であっても、男性登録販売者はスーパーなどドラッグストア以外の薬の販売店を避けるのが無難です。ドラッグストア以外の小売店だと登録販売者はキャリアアップを図りにくいためです。

ドラッグストアは薬が主力商品であるため、店舗全体で薬の販売許可を得ています。これに対してスーパーなどドラッグストア以外の小売店は、薬の売上比率が低く資格者が少ないため、薬売り場のみ店舗販売業の許可を得ているケースがほとんどです。

このとき薬を販売している時間帯は、店舗販売業の許可範囲内に登録販売者が在籍していることが求められます。ドラッグストア以外の小売店だと、登録販売者は薬売り場に常駐しなければならないのです。そのためドラッグストア以外の小売店で働く登録販売者は、薬や健康食品以外の商品スキルを習得できません。

ただ、薬の知識・スキルだけではスーパーなどの運営責任者にはなれません。ドラッグストア以外の小売店で店長などの役職に就くためには、店舗の主力商品に関する幅広い知識が不可欠であるためです。そのため、薬の知識しかない登録販売者がドラッグストア以外の小売店で店長になることは難しいです。

ドラッグストア以外の小売店で登録販売者がキャリアアップする場合、薬部門のバイヤーや薬のエリア責任者などの狭き門を目指すしかありません。ドラッグストア以外の小売店は、登録販売者が出世しにくい業態なのです。

男性の登録販売者が高い給料を得るコツ

これに対してドラッグストアであれば、登録販売者がさまざまな役職に就くことが可能です。ドラッグストアは薬が主力商品の業態であるためです。

例えばドラッグストアへ入社した登録販売者は、まず店長を目指すことになります。その後、エリア店長や部門責任者などの役職を選ぶことが可能です。または、バイヤーなどの本部社員を狙うこともできます。

実際に以下は、東京や神奈川、千葉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は、まず店舗スタッフから店長を目指すことになります。その後、エリアマネージャーやバイヤー、グループマネージャーなどの幹部ポジションを目指すことが可能です。

ドラッグストアは登録販売者が就ける役職が多いのです。そのため男性の登録販売者は、キャリア形成を実現しやすいドラッグストア業態への転職がおすすめです。

ドラッグストアなら早期昇進で年収アップを実現可能

またドラッグストアだと、早期キャリアアップによって入社後数年で高年収を得ることが可能です。ドラッグストア業界は実力主義であるため、良い結果を出せば経験年数が浅くても昇進可能であるからです。

さらに、ドラッグストア業界では新規出店を進めている会社が多いです。店舗数が増えると、その分だけ店長やエリア店長などの役職数が増えます。新規出店を進めているドラッグストア求人を選ぶと、実力次第で早い段階から昇進することが可能となるのです。

例えば以下は、東京や大阪、愛知などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人には入社1年目の店長の体験談が記されており、「店舗数が年間100店舗ほど増えているため、入社1年~1年半で店長へ昇格することが可能」となっています。

当然ながら、キャリアアップを実現すれば、その分だけ給料が高くなります。ドラッグストアだと入社後の数年で昇格し、高収入を実現することが可能なのです。

転職なら店長やバイヤー・エリア長など、上のポジションを狙う

また、すでに登録販売者としての経験があるのであれば、転職のタイミングでキャリアアップを狙うことが大切です。

就業中はあなたのキャリアプランを会社に伝える機会が少ないです。中には、こちらから希望しなければ面談できない会社もあります。このような状況では、努力して結果を出しても希望の昇進につながりにくいです。

一方で転職時の面接では、希望しているキャリアプランを転職先の会社に伝えることができます。キャリアアップしたい旨を伝えて転職すると、希望する出世しやすいポジションへの役職へ配属されやすくなるのです。

また「上のポジションに就きたい」と上昇志向をアピールすることによって「意欲・熱意がある」とみなされます。その結果、採用・好待遇につながりやすくなります。

一方で転職時にキャリアアップしたい旨を伝えないと、新しい会社で一から経験を積むことになります。そうすると昇進のタイミングが遅くなり、同年代に比べてキャリアが低くなってしまいます。男性の登録販売者は、現在よりも上のポジションを狙って転職することが大切なのです。

このとき、中には経験者を募集する役職求人があります。例えば以下は、青森に本社があるドラッグストアのバイヤー求人です。

この求人は、ドラッグストアなど小売業界での経験が5年以上ある人を歓迎しています。また「マネジメント経験がある人は大歓迎」と記されています。登録販売者としての勤務経験があれば、このような求人にも応募できるのです。

マネジメント経験とはいっても、店長経験さえあれば問題ありません。そのため就きたい職種が定まっているのであれば、転職をするにしてもキャリア転職を狙って求人を探すといいです。

男性の登録販売者がキャリアアップ・高給を実現する求人選び

なお、登録販売者資格には「正規」と「研修中」の2種類の状態があり、研修中の登録販売者は需要が低く待遇も悪いです。そのため、登録販売者の資格保有者は資格を正規の状態に維持するように努める必要があります。

ただキャリアを意識する男性の登録販売者は、資格の状態に固執しないようにしましょう。実際のところ、バイヤーやエリア店長、本部配属など「店長より上の役職」に就くと業務・実務経験不足で研修中の登録販売者となります。

つまり正規の登録販売者資格を維持しようとすると、店長より上の役職に就けないのです。

研修中の登録販売者は「薬の専門家」として価値が低いのは事実です。ただ、マネージャーなど高度な役職を経験すれば登録販売者資格が研修中となっていてもキャリア転職が可能となります。

そのため男性の登録販売者は資格の状態に固執せず、可能である限り上の役職を目指しましょう。

転勤ありで働いて早期キャリアアップを実現する

また、早期のキャリアアップを目指すのであれば、働き方にも注意する必要があります。当然ながら、出世を実現するためには有用なスキルを身に付ける必要があります。

例えば店長に就任するためには、店舗運営に関する知識やアルバイト・パート従業員をマネジメントするスキルが必要です。そのため一般社員や副店長などで店長就任に必要な経験を積み、実力が認められれば店長へ昇格することとなります。

またエリア店長やスーパーバイザーなど「店長以上の役職」へキャリアアップするためには、複数店舗の運営経験が必要です。経験店舗が少なければ、複数の店舗を同時に管理することはできないためです。

つまり、店長以上の役職へ昇格するためには転勤が不可欠なのです。場合によっては、転勤に引越しを伴うケースもあります。

このとき、中には引越しを伴う転勤の有無を選べる小売企業もあります。ただ、転勤なしで働くと出世コースから外れやすくなります。実際に以下は、千葉や愛知、京都などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は転勤範囲の異なる3つの社員区分から働き方を選択でき、ナショナル社員(全国転勤可能)を選ぶとキャリアアップに非常に有利となります。つまり、転勤なしで働くと転勤ありの場合よりもキャリアアップが不利になるのです。

そのためキャリアを形成したい男性登録販売者は、転勤ありで働くようにしましょう。

ただ、これについてはあなたの家庭の事情によって変わってきます。子供が小さいなどの理由によって転勤が難しく、家庭を優先したい場合は転勤なしの働き方を選んでも問題ありません。

転職サイトを利用してスキルを積める求人を探す

なお、どの業種を選ぶ場合であっても、男性登録販売者はスキル・キャリアを積み重ねることを意識して転職先を決めるのが望ましいです。

冒頭で述べたように、男性は女性よりも「年齢相当のキャリア・スキルがあること」が求められます。そのため男性の登録販売者は、あなたに合った業界・会社で継続したスキル・経験を積むことが大切です。

特に男性が転職する場合、上の役職を目指すことを意識する必要があります。転職時にキャリアが向上しないと昇進が遅くなり、同年代に比べてキャリアが低くなってしまうためです。

そこで男性の登録販売者は、転職サイトを利用してキャリア転職が可能な求人を探しましょう。

特に上のポジションになるほど求人数が少なくなり、自力でこうした中途採用の募集を見つけるのは不可能です。そのため、男性で転職を目指す人の大多数が転職エージェントを利用するという実態があります。

またキャリア求人の中には、非公開案件も多数あります。転職コンサルタントはこのような非公開求人も多数抱えているため、転職サイトを利用すると自力では応募できない求人に挑戦することも可能となります。

ただ、転職サイトが保有するキャリア求人には限りがあります。そのため可能性を広げるため転職サイトは、最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、早い段階であなたの希望する役職に就ける求人先への転職が実現しやすくなります。

まとめ

男性は女性よりも、「年齢なりのキャリア・スキルを所有していること」を求められます。そのため男性の登録販売者は、キャリア形成を意識して慎重に求人を探さなければなりません。

このとき、ドラッグストア業界は男性の登録販売者が経験・キャリアを積みやすいです。早期のキャリアアップを実現できるため、有用なスキルを効率的に得ることができます。実力次第では、入社数年で高収入を実現することも可能です。

ただ、早期キャリアアップ可能な企業であっても、あなたに合わない求人先で働くと昇進は叶わなくなります。そのため上の役職を目指せる、あなたに合った求人先へ転職することが大切です。

そうしたとき男性の登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。これにより、「あなたがスキルを積みやすい職場」へ転職して理想のキャリアを形成することが可能となります。


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