基本的に、シングルマザーは働きながら子育てをしなければなりません。ただ、母子家庭に理解のない職場に就職してしまうと、人間関係に苦労したり子供との時間が作れなくなったりします。
一方で、子供を養育するためには安定した収入も必要です。そのため、シングルマザーは子育てと仕事を両立できる求人を慎重に選ばなければいけません。
このような中、登録販売者はシングルマザーに向いている仕事です。登録販売者が働く業界は母子家庭に理解のある職場が多いためです。また、登録販売者資格を活かして就職すれば、安定した給料を得ることもできます。
ただ、だからといって適当に求人を選ぶと、家庭と仕事を両立できず退職に至ってしまうことがあります。その結果、キャリアに傷がつくだけではなく経済面で苦労することにつながります。
そこで、シングルマザーの登録販売者が家庭と仕事を両立するための求人選びのコツを解説していきます。
もくじ
母子家庭の登録販売者におすすめの業態
一般的に、登録販売者は小売業で働く資格だと思われています。たしかに、登録販売者は市販薬を販売できるようになる資格であるため、小売業界から多くの求人が出ています。
ただ、登録販売者が働けるのは小売業界だけではありません。登録販売者の資格は内勤でも活かすことができるのです。
安定して働きたいなら調剤薬局などの内勤
内勤はシングルマザーに圧倒的な人気のある職種です。内勤は日祝が定休であり、残業が少ない職場が多いためです。中には、残業がまったくない職場もあります。
休日出勤や残業などが発生しなければ、その分だけ子供との時間を確保することができます。そのため、内勤を選ぶと子供との時間を大切にしながら働くことが可能となります。
また、事務仕事は主にデスクワークであるため体力を消耗しません。そのため、シングルマザーのように帰宅後も忙しい人は、体力を温存できるというメリットもあります。内勤はシングルマザーにおすすめの職種なのです。
このとき、登録販売者資格を活かした内勤には調剤薬局やコールセンターなどがあります。
例えば、調剤薬局は市販薬を取り扱っている施設がほとんどです。調剤薬局には薬剤師が在籍しているため、登録販売者を雇う義務はありません。
ただ、調剤事務員が登録販売者である場合、薬の知識があるので仕事に慣れやすいです。そのため、調剤薬局は調剤事務員として登録販売者を募集しているところが多いです。
実際に以下は、京都にある調剤薬局の求人です。
ここには登録販売者を募集しており、勤務時間がほぼ固定で日祝定休であることが記されています。そのため登録販売者が調剤薬局で働くと、子育てと仕事を両立しやすくなります。
また市販薬のインターネット販売では、顧客が気軽に相談できるように専用のコールセンターなどの相談窓口を設けることが義務付けられています。
このとき、相談窓口は薬の専門家である必要があります。そのため登録販売者はコールセンターでも働くことができるのです。
コールセンターも調剤薬局と同様に、日曜定休・夕方退社であることが多いです。実際に以下は、神奈川にあるコールセンターの求人です。
ここには、登録販売者を募集しており、土日定休・19時退社であることが記されています。調剤薬局やコールセンターなどの職種を選ぶと、子供との時間を大切にできるのです。
そのためシングルマザー登録販売者は、まず内勤を中心に求人を探してみることをおすすめします。
キャリアアップも見据えたいならドラッグストア
ただ、調剤事務は給料が低めです。また昇進ポストがかなり少ないため、キャリアアップが困難であるのが実情です。中には、昇進ポストがまったくないケースもあります。そのため、登録販売者が内勤で働くと生涯年収が低くなりやすいです。
このとき、子供が小さい頃は収入が低くても大きな問題はないでしょう。ただ、子供が成長するにつれて経済的な問題が起こりやすくなります。
特に子供の数が多かったり援助者がいなかったりする場合、経済面で苦労するリスクがかなり高いです。経済面の問題によって、子供に習い事や部活、進学などを諦めてもらわなければならない可能性も高くなるのです。
そのため、あなたの給料のみで子供を育てていかなければならないのであれば、ドラッグストアなどの小売店も含めて就職先を検討するべきです。
ドラッグストアは調剤事務などに比べて、給料が高い傾向にあります。実際に、ドラッグストアと調剤事務の給料を以下のとおり比較してみます。
まずは、東京にある調剤薬局の登録販売者求人です。
ここには、給与が年収216～264万円（月収18～22万円）であると記されています。これに対して以下は、埼玉や愛知などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには、入社後の年収が300～330万円（月収20～22万円）以上であることが記されています。またキャリアアップ後の年収例として、店長に昇進すると年収400～500万円、スーパーバイザーに昇進すると年収520万円になります。
ドラッグストアで働くと、調剤薬局で働く場合よりも年収が高くなりやすいのです。そのため経済的な理由で子供に我慢をさせたくないシングルマザーの登録販売者は、ドラッグストアなどの小売店をおすすめします。
子供が小さいうちからドラッグストアで働く注意点
ただ、シングルマザーの登録販売者がドラッグストアで働く場合、注意しなければならない点があります。それは休日や出勤時間などを固定できないことです。
ドラッグストアは土日祝日に営業しており、売上も高いです。そのため運動会などのイベント時には考慮してもらえるケースがほとんどであるものの、基本的に平日が休みとなります。
また、ドラッグストアの多くは朝9～10時から21～22時ごろまで開店しています。そのため、ドラッグストアに勤めると早番や遅番などのシフト制勤務となります。
実際に以下は、東京や神奈川、千葉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには、勤務時間が8～22時半までの間で、実働8時間のシフト制と記載されています。ドラッグストアで働く場合、夕方以降に勤務する必要性が生じるのです。
そのため、子供が小さいうちからドラッグストアで働く場合、休日保育を利用したり保育時間が長い保育園に通ったりする必要があることを覚えておきましょう。
ドラッグストア以外の小売店は避けるべき
ドラッグストアは母子家庭の登録販売者でも働ける一方で、ドラッグストア以外の小売店はシングル登録販売者にはおすすめできません。ドラッグストア以外の業態は資格者数が少ないためです。
ドラッグストアは薬が主力商品の一つであるため、多数の資格者が在籍しています。そのため、子供の都合で急な欠勤が生じても薬が販売できない状況には陥りにくいです。
これに対して、ドラッグストア以外の業態（コンビニやホームセンターなど）は薬の売上が低いため資格者数が少ないです。店舗によっては、時間あたりの資格者数が一人になるようにシフトが組まれていることもあります。
このような環境では、子供が病気になっても休むことはできません。休むと薬売り場を開けられなくなり、店舗運営に支障をきたします。そのため子持ち登録販売者は、ドラッグストア以外の小売店を避けることが大切です。
なお例外的に、大型スーパーの中には調剤を併設している薬売り場がある店舗があります。実際に、以下は大型スーパー・イオン内の薬売り場です。
このように、大型スーパーの中には「調剤薬局を併設している薬売り場」を展開しているケースがあります。
調剤薬局があるということは、薬剤師が在籍していることを意味します。薬剤師がいれば、登録販売者がいなくても薬を販売することができます。そのため、調剤薬局が併設されている薬売り場で働くと、子供の病気などによって欠勤しても店舗運営に大きな支障が出にくいです。
大型スーパーは福利厚生が充実しており、子育てママが働きやすい環境が揃っているケースが多いです。そのため、近くに調剤を併設している薬売り場のあるスーパーがある場合、そこも検討してみることをおすすめします。
シングルマザーが働きやすい置き薬営業職もある
一般的に営業職は、給料が高い一方で残業が多いというイメージがあります。実際に、登録販売者の営業職である置き薬営業でも、このような企業はあります。
ただ中には、子育て中の母親が働きやすい環境の置き薬営業もあります。例えば以下は、北海道・札幌や愛知・名古屋などに事業所を展開する置き薬営業企業の求人です。
ここには、土日祝日休みで休暇も充実しており、家庭を持つ母が働きやすい環境であると記されています。また勤務時間は9～18時で残業も少なく、年収は高めです。
自宅勤務を推奨していて家庭をもつ女性も多く活躍しているため、このように求人を慎重に選べばシングルマザーでも登録販売者資格を活かして営業職に就くことができます。家庭と両立させながら高給を実現し、将来の経済的な不安がなくなるのです。
そのため、高めの収入が必要なシングル登録販売者は、営業職も視野に入れて求人を探しましょう。
シングルマザーが働き続けるための求人・職場選びのコツ
離婚したシングルマザーは稼ぎ手が一人であるため、一定以上の給料を稼がなければなりません。
一方で、家事や子供のための時間も取る必要があります。母子家庭の登録販売者は、仕事と家庭を両立できる職場を探さなければならないのです。
そのため母子家庭の登録販売者は、業種だけではなく求人の詳細にもこだわる必要があります。具体的には、以下のような求人を選ぶことが大切です。
転勤なし求人を選ぶのは必須
シングル登録販売者が求人を探す時にもっとも注意しなければならないのが、転勤の有無です。
このとき、調剤薬局やコールセンターなどの内勤では転勤がないことがほとんどです。実際に以下は、大阪にある調剤薬局の登録販売者求人です。
ここには、転勤がないことが記されています。そのため内勤で働く場合、転勤によって引っ越しをする心配はありません。
これに対して、ドラッグストアなどの小売店では転勤が生じる可能性があります。
引っ越しを伴う転勤が生じると、子供はそれに応じて学校などの環境を変えなければなりません。そのため、引っ越しを伴う転勤は子供にとって大きなストレスとなることがあります。
またシングルマザーが引っ越しをする場合、住所変更などの役所手続きだけではなく学校や保育園など子供関係の手続きもあなた一人で担わなければなりません。地域によっては、保育園の空きがないリスクもあります。
転勤によって引っ越しが生じると、親子ともに忙しくストレスを溜めやすくなるのです。その結果、親子関係が悪化したり子供の素行が悪くなったりしやすくなります。そのため、母子家庭の登録販売者は引っ越しを伴う転勤がない企業を選ぶべきです。
例えば以下は、東京や神奈川、埼玉などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには、転居を伴う異動が発生しないと記されています。同じドラッグストアであっても、離婚したシングルマザーはこのような求人を選べば、仕事の都合による引っ越しでストレスを溜める心配がなくなります。
また、以下は愛知や静岡、長野などに事業所を展開する置き薬営業の求人です。
この求人でも、転居を伴う転勤がありません。小売業や営業職などであっても、引っ越しを伴わない働き方が可能な求人があるのです。そのため、シングルマザーの登録販売者が小売業や営業などで働く場合、引っ越しを伴う転勤のない求人に応募しましょう。
残業少なめの求人で子供との時間を作る
前述のように、登録販売者の内勤では残業がほとんど発生しません。そのため、登録販売者が内勤を選ぶと子供との時間を確保することができます。
ただ、一般的にドラッグストアなどの小売業界は残業が多めです。そのため年収などの条件だけで求人を探すと、残業によって子供との時間が減ってしまう可能性が高いです。
しかし中には、残業時間が少ないドラッグストア求人もあります。例えば以下は、東京や大阪など全国に店舗を展開するドラッグストアの求人です。
このように残業が月10時間未満とかなり少なめです。そのためドラッグストアを中心に求人を探す場合、残業時間が短い案件を探しましょう。
また、置き薬営業の求人は「残業時間が短い」と明記している企業でなければ、残業時間がかなり長い傾向にあります。そのため、母子家庭の登録販売者が置き薬営業に就く場合、必ず平均残業時間が明記されている求人を選びましょう。
例えば以下は、愛知や静岡、三重などに事業所を展開する置き薬営業の求人です。
ここには、残業時間が月15時間程度であると明記されています。このような表記がある求人を選べば、長時間の残業によって子供との時間がなくなることを防げます。
車通勤可求人を選ぶと日常生活を効率よくできる
離婚した登録販売者が仕事と家庭を両立させるためには、日々の生活を効率良くこなさなければなりません。就業日であっても、ある程度家事をこなさなければ休日に子供との時間を取ることが難しくなります。
このとき車で通勤すると、帰路に買い物などの用事を済ませやすくなります。また、通勤ついでに子供の保育園や学童保育、塾などの際に送迎することも可能となります。そのため車を所持しているシングルマザーの登録販売者は、車通勤可の求人を選ぶことをおすすめします。
例えば以下は、埼玉や千葉、京都などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには、車での通勤が可能であると記されています。このような求人を選べば、通勤のついでにさまざまな用事を済ませやすくなります。
転職サイトを利用して母子家庭の登録販売者が転職を成功させる
離婚しているシングルマザーは、仕事と家庭を両立できる職場で働かなければいけません。仕事と家庭を両立できなければ、強いストレスを感じたり親子関係が悪化したりしやすくなるためです。そのため、母子家庭の登録販売者は慎重に職場を選ぶ必要があります。
ただ、シングルマザーは多忙な日常生活や金銭的な事情などでゆっくり求人を探している暇がないでしょう。また、母子家庭でも問題なく働けるような詳細な条件を吟味することは難しいです。
そこで、母子家庭の登録販売者は転職サイトを利用して求人を探すことをおすすめします。
転職サイトを利用すると、担当コンサルタントがあなたに合った求人を探してくれます。求人探しの手間・時間を大幅に短縮することができるのです。
また、転職サイトの担当者はあなたと企業の間を取り持ってくれます。シングルマザーであるという事情を伝え、働き方の交渉を代行してくれるのです。
ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、よりあなたに適した企業への転職が叶いやすくなります。
まとめ
シングルマザーの登録販売者は、子供との時間を確保しやすい職場で働く必要があります。そうしなければ、ストレスが溜まったり親子関係が悪化したりしやすくなるためです。
ただ、母子家庭では稼ぎ手が母親一人しかいません。そのためシングルマザーが働く場合、就業時間などだけではなく給料にも注意して求人を選ばなければなりません。
しかし、家庭と仕事を両立できる職場は多くありません。またシングルマザーは、多忙や経済面などの理由によって求人探しに時間をかけられないことが多いでしょう。
そのためシングルマザーの登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、家庭と仕事を両立させながら経済的に安定した生活を送れるようになります。
登録販売者が転職を行い、求人を探すにしても自分一人で行うのは現実的ではありません。そこで、ほとんどの人が転職エージェントを活用します。
転職サイトを利用すれば、「年収の交渉」「希望の勤務地」「労働時間の調節」を含めてすべて代行してくれるようになります。
しかし、転職サイトによって「地方在住者でも事前面談に対応している」「40代以上でも利用可能」など特徴に違いがあります。人気の転職エージェントの中でも、これらの特徴を理解したうえで、どの転職サイトを利用すればいいのか検討しなければいけません。
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