栄養士・管理栄養士の資格は、病院や介護施設、学校などの「給食が必要な施設」で需要が高いです。そのため、栄養士・管理栄養士は調理を伴う仕事に就くことが多いです。
一方で、栄養士・管理栄養士の資格はドラッグストアで活かすこともできます。ドラッグストアで働く栄養士は、食や健康などの知識を活かして顧客に食生活に関するアドバイスを行います。栄養士・管理栄養士がドラッグストアで働くと、健康アドバイザーとして活躍することもできるのです。
ただ栄養士がドラッグストアで働くのであれば、取得するべき資格がもう一つあります。それは登録販売者資格です。
栄養士が登録販売者資格を取得すると、ドラッグストア勤務に必要な知識が増えます。その結果、より高度な仕事が可能となり小売業界での転職や昇進などが有利になるのです。
そこで、ドラッグストアで働く栄養士が登録販売者資格を取得するべき理由と取得するコツについて解説していきます。
もくじ
登録販売者はドラッグストア業界に必須な国家資格
当然ながら栄養士や管理栄養士などの資格は、それら単体が就職・転職を有利にします。
実際に、ドラッグストアからは栄養士の求人が出ています。そのため登録販売者資格を取得しなくても、ドラッグストアで働くことはできます。
ただ、あなたがドラッグストア業界に挑戦したいのであれば、登録販売者資格の取得も視野に入れるべきです。ドラッグストアでの勤務では、栄養士の資格だけではスキル不足を感じる可能性が高いためです。
例えば栄養士資格を活かしてドラッグストアで健康アドバイザーとして働いた場合、あなたは顧客の健康相談を受けることになります。
ただ、ドラッグストアの顧客は「食生活の改善アドバイス」を求めて来店しているわけではありません。「市販薬を使用してでも、現在起こっている身体の不調を改善したい」と相談を持ちかけます。
このとき、あなたは食事内容などの生活改善に関する指導を行うことはできます。ただ、薬の相談は受けられません。もしあなたに薬の知識があったとしても、専門の資格を持たない人が薬の案内をすると薬機法違反となります。
そのため栄養士・管理栄養士の資格しか持たない場合、ドラッグストアに来店する顧客の要望には応えきれないのです。
また、薬を販売できない人は薬屋の責任者(=ドラッグストアの店長)になることはできません。つまり、栄養士・管理栄養士の資格だけではドラッグストアで昇進することは難しいのです。
そのため基本的には、栄養士・管理栄養士の資格を活かしてドラッグストアに就職したとしても、最終的には登録販売者資格を取得する必要性が出てきます。
実際に以下は、東京や埼玉、千葉などに店舗を展開するドラッグストアの栄養士求人です。
ここには、登録販売者の資格取得はキャリアアップの第一歩と記されています。栄養士・管理栄養士の資格者であっても、ドラッグストアで働くのであれば登録販売者資格の取得が必須となるのです。
登録販売者とのダブルライセンスだと転職・昇進にかなり有利
では、ドラッグストアで栄養士・管理栄養士資格だけを活かして活躍するのは難しいのでしょうか?
もちろん、そのようなことはありません。ただ、栄養士・管理栄養士が登録販売者資格を取得してダブルライセンスとなると、登録販売者のみの資格者よりも転職や昇進などがかなり有利になります。
当然ながら、一般の登録販売者のように録販売者資格しか持たない人は管理栄養士にしかできない仕事ができません。また登録販売者の知識だけでは、生活改善に関する専門的なアドバイスをすることは困難です。
一方で、栄養士・管理栄養士が登録販売者とのダブルライセンスになると、栄養士などしか行えない特定保健指導と市販薬販売の両方を行える有用な人材となることが可能です。
また栄養士と登録販売者の知識を組み合わせることで、より顧客に寄り添った質の高い接客が可能となります。ダブルライセンスの知識を他の登録販売者に教育することで、店舗全体の接客レベルを向上させることもできます。
こなせる業務の種類が増えれば、その分だけ昇進先・受け入れ先が多くなります。また、登録販売者のみの資格者より専門的な知識を保有しているためトレーナー職としても重宝されやすいです。
栄養士・管理栄養士が登録販売者資格を取得すると、ドラッグストアでの就職・キャリアアップがかなり有利になるのです。そのため栄養士・管理栄養士がドラッグストアで働くのであれば、登録販売者資格の取得を視野に入れることが大切です。
栄養士がドラッグストアで働く求人選び
前述のように、栄養士・管理栄養士の資格者は登録販売者資格とのダブルライセンス保持者になることで、ドラッグストアへの就職・転職が有利になるのは事実です。そのため中には、「登録販売者資格を取ってからドラッグストアへ転職しよう」と考える栄養士がいます。
ただドラッグストア業界で働くつもりなのであれば、登録販売者資格を取得する前から店鋪で働くべきです。正規の登録販売者になるためには、市販薬販売の業務・実務経験が必要であるためです。
具体的にいうと、市販薬販売の時間帯責任者に就ける正規の登録販売者になるためには、過去5年以内に2年以上の業務・実務経験が必要です。この管理者要件を満たせなければ、「研修中」の登録販売者となり一人で薬を取り扱えません。
このとき管理者要件における業務・実務経験は、登録販売者試験に合格する前でも積むことができます。例えばドラッグストアで2年勤続している人が登録販売者試験に受かれば、すぐに正規の登録販売者として働き始めることができるのです。
当然ながら、栄養士・管理栄養士としてドラッグストアで働く場合も、管理者要件における業務・実務経験として認められます。そのためドラッグストア業界で働いていくつもりなのであれば、登録販売者試験合格前からドラッグストアへ転職する方がいいです。
登録販売者資格の取得支援制度がある求人を選ぶ
また、登録販売者試験合格前からドラッグストアで働くには他にもメリットがあります。一つは、登録販売者試験で出題される内容が頭に入りやすい点です。
例えば登録販売者となるためには、薬の成分の名前とその効果を覚えなければいけません。ただ、薬の成分名は一般的に馴染みのないものばかりです。
そのため座学で薬の成分について覚えようとすると、ほとんど丸暗記となってしまいます。丸暗記は覚えにくく忘れやすいため、参考書を読み込むだけでは薬の成分とその効果が頭に入りにくいです。
一方でドラッグストアで働くと、実際の市販薬を取り扱うことになります。
市販薬にはバファリンやパブロン、オロナインなどの「名称と薬の特徴が有名なもの」が多いです。例えばバファリンは頭痛薬ですし、パブロンは風邪のときに使う薬、オロナインは傷薬であることは多くの人が知っています。
このとき、市販薬の外箱には必ず含有成分とその効果・効能が記載されています。そのため手が空いたときに市販薬に記載されている効能などを見ると、薬の成分とその効果について、市販薬の名称に関連付けて覚えることができます。
例えば以下は、バファリンの外箱写真です。
この商品の成分欄には、一番最初にアセチルサリチル酸が表記されています。アセチルサリチル酸は鎮痛・消炎効果のある成分であり、バファリンの主成分です。そのため、「アセチルサリチル酸=バファリンに含まれている痛み止め成分」と覚えることができます。
このようにして覚えた知識は、テキストとにらめっこして丸暗記した情報よりも印象に残りやすいです。ドラッグストアで働くと、業務中に登録販売者試験の合格に必要な知識を蓄えることができるのです。
また登録販売者試験合格前からドラッグストアで働くもう一つのメリットは、就職する企業によっては登録販売者資格の取得支援制度がある点です。
例えば以下は、福岡や熊本などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
この求人は、「登録販売者の資格取得を支援する制度が整っている」となっています。資格を取得するための研修が行われていたり、資格取得のための費用を負担してくれたりするのです。
そのため登録販売者資格取得の支援制度のある企業で働くと、働きながら登録販売者資格を取得しやすくなります。
転職サイトを利用して求人を探す
ただ栄養士・管理栄養士が、あなたに適した求人を探すことは困難です。特に、働きながら転職活動を行うとなると求人探しに時間を割けません。
それに加えて登録販売者試験の勉強も並行して行うと、求人探しと勉強のどちらかがおざなりになります。その結果、試験に落ちたり良い条件の求人を見つけられなかったりしやすくなります。
そこで、ドラッグストアで働きたい栄養士・管理栄養士は転職サイトを利用して求人を探しましょう。
転職サイトを利用すると、担当者があなたに適した求人を紹介してくれます。そのため求人探しに割く時間を大幅に減らすことができ、登録販売者試験の勉強時間を確保しやすくなります。
また、転職コンサルタントはあなたと企業の間を取り持ってくれます。そのため自力で交渉するよりも、栄養士・管理栄養士の資格を活かした好条件での入社が叶いやすくなります。
ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、より好条件での入社が叶いやすくなります。
まとめ
栄養士・管理栄養士の資格はドラッグストアでも活かすことができます。ドラッグストアで勤務する栄養士・管理栄養士は、健康アドバイザーとして顧客の健康増進に貢献することになります。
ただ、栄養士・管理栄養士はドラッグストアの主力商品である薬を販売できません。また薬の相談を受けることもできません。そのため栄養士・管理栄養士がドラッグストアで働くのであれば、登録販売者資格も取得するべきです。
またドラッグストア業界へ挑戦したいのであれば、登録販売者資格を取得する前からドラッグストアに入社する方がいいです。ドラッグストアで働くと試験合格に必要な知識を蓄えやすくなりますし、実務経験も積めるためです。
そこでドラッグストアで働きたい栄養士・管理栄養士は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、ドラッグストアで栄養士・登録販売者のダブルライセンスを活かしたキャリアを積み上げることができます。
登録販売者が転職を行い、求人を探すにしても自分一人で行うのは現実的ではありません。そこで、ほとんどの人が転職エージェントを活用します。
転職サイトを利用すれば、「年収の交渉」「希望の勤務地」「労働時間の調節」を含めてすべて代行してくれるようになります。
しかし、転職サイトによって「地方在住者でも事前面談に対応している」「40代以上でも利用可能」など特徴に違いがあります。人気の転職エージェントの中でも、これらの特徴を理解したうえで、どの転職サイトを利用すればいいのか検討しなければいけません。
そこで当サイトでは、転職サイトごとの特徴について解説しています。転職では2~3社以上に登録して活動するのが基本になるものの、どの転職エージェントを利用すればいいのか理解したうえで以下のページから比較検討し、転職サイトへ登録するようにしましょう。