人口の少ない地方だと、仕事の数そのものが少ないです。職種によっては、まったく求人が出ていないケースもあります。そのため、仕事を探しに都会へ出る人は多いです。

ただ中には、いま住んでいる地域を離れたくない人もいるでしょう。場合によっては、田舎の実家へUターンしたい人もいると思います。このような人におすすめなのが登録販売者資格です。登録販売者資格を取ると、田舎であっても就職先を見つけることができます。

それでは、登録販売者の資格者はなぜ田舎でも需要があるのでしょうか? また人口の少ない地方の登録販売者求人には、どのような特徴があるのでしょうか?

ここでは、田舎の登録販売者求人の特徴と求人探しのコツについて解説していきます。

転職先がない地方住人が登録販売者資格を取るべき理由

登録販売者は市販薬を販売できる国家資格です。そのため市販薬の販売店で需要が高く、資格保有者しか応募できない求人が存在します。登録販売者資格を取ると、無資格の状態よりも挑戦できる求人が増えるのです。

また市販薬は生活必需品の一つであるため、市販薬の取り扱い店は人口の少ない地域にも存在します。登録販売者の資格者は田舎であっても需要があるのです。

そのため登録販売者資格を持っていると、人口の少ない地方に住んでいても求人を見つけやすくなります。例えば以下は、北海道にあるドラッグストアの求人です。

この求人のドラッグストアは標茶という地域にあります。標茶は人口7,000人ほどの町であり、「人口17万人ほどの地方都市から車で1時間の距離」にあります。このような地域であっても、登録販売者の資格保有者であれば転職先を見つけることができるのです。

田舎であってもキャリアアップ可能

また一般的に、人口の少ない地域の求人は都市部に比べて給料が低いです。中には、キャリアアップによる昇給が見込めない一般求人もあります。

これに対して、登録販売者求人であれば地方に住んでいてもキャリアアップが可能です。ドラッグストアなどの小売業界は年功序列ではなく実力主義の会社がほとんどであるためです。

例えば以下は、青森や宮城、秋田などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人には「入社から3~6ヶ月で店長になる人がいる」と記されています。当然ながら、店長などの役職に就けば住んでいる地域に関わらず給料が高くなります。登録販売者資格を活かして転職すれば、田舎に住んでいても高い給料をもらうことが可能となるのです。

地方都市であれば就職先を選べる

なお通常、福岡や札幌などの人口の多い地方都市(地方中枢都市)であれば、大都市ほどではないものの求人数が多いです。そのため自分の希望条件を満たした求人を選ぶことが可能でしょう。

一方で、人口10~20万人クラスの地方都市になると求人の種類・数が少なくなります。そのため、求人を選り好みすることはできないケースがほとんどです。

ただ、登録販売者資格を持っていれば人口の少ない地方都市であっても求人を選り好みすることが可能です。例えば以下は、山形にある人口10万人クラスの地方都市・鶴岡のドラッグストア分布です。

ここには多くのドラッグストアが表示されています。登録販売者資格者の需要がある店舗がこれだけの数あるのです。

また市販薬は、スーパーなどドラッグストア以外の小売店でも取り扱われています。ドラッグストア以外の店舗も候補に入れると、応募できる求人がさらに多くなります。

登録販売者資格を持っていれば、人口が少なめの地方都市であっても求人を選り好みすることが可能となるのです。

田舎のドラッグストア店舗で働くメリット・デメリット

なお、登録販売者であれば田舎でも転職可能であるものの、都市部の方が求人数が多いのは事実です。また、都市部の求人の方が給料も高い傾向にあります。

そのため中には、「可能であるならば、なるべく都会で求人を探した方がいい」「やむを得ない事情がないのであれば、田舎で働くメリットはない」と思っている登録販売者もいます。

ただ、必ずしもそうとは限りません。田舎のドラッグストアで働くことには以下のようなメリットがあるためです。

残業少なめでゆったり仕事できる

例えば都市部のドラッグストアだと、店内には常に顧客がいる状態になります。レジに長蛇の列ができることも珍しくありません。

また、売上金額・点数が多いため納品・品出しの量も多くなります。そのため都市部のドラッグストアで働くと、多くの仕事をこなさなければならなくなります。残業が発生するケースも多いです。

これに対して田舎のドラッグストアであれば、来客数が少ないため店内はいつも落ち着いています。店舗規模によって詳細は異なりますが、平日であればレジが混雑することはないでしょう。

また田舎のドラッグストアだと、来客数の多い土日であっても都市部よりは混み合いません。特売などによって開店時に列ができることはあるものの、ピークが過ぎれば落ち着いて仕事ができます。地方のドラッグストア勤務では、自分のペースでゆったり仕事を進めることができるのです。

実際に以下は、私が住んでいる北海道・人口17万人規模の地方都市のドラッグストア店内です。

この写真を撮影したのは休日前の午後7時であり、都市部であれば会社を退勤後の顧客で溢れかえる時間帯です。ただ、この店舗には私以外に顧客はいませんでした。

そのため落ち着いた環境でゆったり働きたい人には、都市部よりも地方のドラッグストアが向いているといえます。

本社の査察が入りにくい

また都市部のドラッグストアだと、店舗が密集していたり本社・本部から近かったりするため、本部社員や上司などの査察が入りやすい傾向にあります。

査察では棚レイアウトや商品管理、バックヤードの管理状況などのさまざまなチェックポイントを確認されます。当然ながら、営業を続けながらこれらのポイントを完ぺきな状態に保つことは難しいです。そのため一般的には、査察が入ることが判明したら慌ただしくなるケースが多いです。

これに対して地方にあるドラッグストアは、本社・本部から遠いため査察が入りにくいです。

特に店舗分布が少ない地域の査察には、人件費や移動費などが多くかかります。そのため、田舎のドラッグストアは本部社員や上司などによる査察機会がかなり少ないです。

実際に、私は大阪に本社のあるドラッグストア企業の地方都市店舗で働いていたことがあります。大阪の店舗は頻繁に本社社員による査察が入っていたようですが、私が勤めていた店舗では年に1度ほどしか査察が入りませんでした。

また、最寄りの系列店舗まで車で2時間かかるほど田舎の店舗で働いている私の知り合いは、「年1度の査察もなく、会ったことのない上司がたくさんいる」と言っていました。田舎のドラッグストアで働くと、本部にいる人たちと関わる機会が少ないためストレスなく働きやすいのです。

車で通勤することになる

ただ、田舎のドラッグストア勤務には人によってはデメリットになる点も一つあります。それは車通勤が前提となることです。

通常、人口が少ない地方のドラッグストアは公共交通機関で通勤することが難しいです。田舎のドラッグストアは住宅地に立地しているためです。

また、田舎になるほどバス・電車の本数が少なくなります。そのため、出退勤の時間に合ったバス・電車がないケースがほとんどです。田舎のドラッグストア勤務だと、公共交通機関で通勤することが難しいのです。

このとき、田舎のドラッグストアは従業員用駐車場を完備している求人がほとんどです。そのため、自分専用の車を持っているのであれば特段問題にはならないでしょう。

ただ車を家族で共有していたり車を運転できなかったりする人は、車通勤ができないことによって選べる求人が少なくなります。その結果、求人を選択する余地がなくなり、不利な勤務条件や悪質な職場環境を我慢しなければならなくなります。

実際に私は人口17万人ほどの地方都市に住んでいますが、運転免許を持たない登録販売者の知り合いがいます。この人は現在の職場に不満を持っていますが、徒歩で通える範囲で働ける職場が数少ないため、我慢して働いています。

そのため登録販売者の資格者は田舎でも転職しやすいといっても、自由に車を使用できる環境になければ希望通りの転職を叶えることは難しいといえます。

田舎で登録販売者求人を探すコツ

基本的に田舎であっても、「車で1時間以内の範囲」まで候補を広げれば選択肢が増えます。そのため田舎で転職を実現させたいのであれば、通勤可能範囲を広げて求人を探すべきです。

このとき、中には「通勤に往復2時間もかけたくない」という人もいるでしょう。確かに、通勤時間が長くなるとその分だけ拘束時間が長くなるため、通勤時間が短いに越したことはないです。

ただ、前述のように田舎のドラッグストアは業務量が少なく、残業が発生しにくいです。そのため田舎では、都市部に比べて通勤時間が長くなっても拘束時間はそれほど長くならない傾向にあります。

また通勤時間が短く済んでも、あなたに合わない求人を選んでしまうと不満が溜まりやすくなります。その結果、早期退職につながり経歴に傷がついてしまいやすいです。特に求人数の少ない田舎では、次の転職先が決まらない事態に陥りやすいといえます。

そのため田舎で転職する際には可能な限り通勤範囲を広げて求人を探し、あなたに合った求人を見つけることが大切です。

転勤なし求人で田舎で長く暮らす

例えば田舎のドラッグストア求人の中には、引越しを伴う転勤が発生する求人があります。実際に以下は、山口にあるドラッグストアの求人です。

この求人は福岡や広島などの他県へ転勤する可能性があります。このような求人を選んでしまうと、いま住んでいる場所で働き続けることができません。

そのため、田舎で働きたい登録販売者は「転勤なし求人」や「転勤の有無を選べる求人」を選択する必要があります。例えば以下は、東京など大都市だけでなく青森や島根などにも店舗を展開するドラッグストアの求人です。

この求人は「転居を伴う異動なし」の働き方が可能です。このような求人を選べば転勤によって引越することなく、田舎で働き続けることができます。

ドラッグストア以外の求人も探す

また求人数の少ない田舎で転職先を探すのであれば、候補をドラッグストア以外にも広げることが大切です。そうすることで、より転職先候補が増えて求人を精査することが可能となります。

例えば以下は、鳥取にあるディスカウントストアの求人です。

この求人は登録販売者を募集しており、転居を伴う転勤なしで働くことができます。ドラッグストア以外まで視野を広げると、田舎で暮らしたまま働ける求人を見つけやすくなるのです。

転職サイトで田舎の求人を探す

ただ、「人口の少ない田舎で働き続けやすい求人」を自力で見つけるのは困難です。

求人案内を見るだけでは、会社の制度や内情などを知ることができません。そのため、求人案内に掲載されている情報だけで転職先を決めてしまうと、あなたに合わない会社へ転職してしまうリスクがあります。

また人口の少ない地方は求人そのものが少ないため、数社で不採用となると「転職可能な求人が残っていない」という事態に陥りやすいです。田舎での転職を成功させるためには、面接などでの失敗が許されないのです。

そこで田舎で転職したい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトの担当者は、会社の内情・制度を踏まえた上であなたに適した求人を紹介してくれます。そのため転職サイトを利用すると、自力で探すよりも働きやすい求人を見つけ出しやすくなります。

また転職コンサルタントは、面接のアドバイスを提供してくれたり、あなたと会社との間を取り持ってくれたりします。中には、面接同行サービスを実施している転職サイトもあります。このようなサービスを利用すると、面接の成功率が上がって希望の求人先で採用を勝ち取りやすくなります。

ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは、最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、働き続けやすい田舎の求人への転職を実現することができます。

まとめ

基本的に人口の少ない田舎は、都市部に比べて求人が少ないです。職種やタイミングなどによっては、希望条件を満たした求人がまったく出ていないケースも多いです。

このとき市販薬販売の専門職である登録販売者資格を持っていれば、田舎であっても求人を見つけやすくなります。市販薬は生活必需品の一つであるため、薬の取り扱い店は田舎にも立地するからです。

しかし、人口の少ない地方に働き口が少ないのは事実です。そのため登録販売者の資格保有者であっても、数社で不採用になると転職活動が成功しにくくなります。

そこで田舎で転職したい登録販売者は、転職サイトを利用して転職活動を行いましょう。そうすることで、人口の少ない地方に住んでいても好条件での転職を実現することが可能となります。


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