ドラッグストアは薬以外にも、化粧品や日用品などのさまざまな商品を扱っています。そのためドラッグストアで働く登録販売者は、薬以外の商品を担当するケースが多いです。中には、薬の仕事にまったく携われない資格者もいます。

これに対してドラッグストア以外の薬の取扱店だと、登録販売者が薬コーナーの担当となるのが基本です。またこのような中、家電量販店の大手であるビックカメラは医薬品の取扱店舗が多く、薬の専門家として活躍できる業態の一つなのです。

それではビックカメラで働く登録販売者は、どのような仕事にあたるのでしょうか? また登録販売者がビックカメラで働くことには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

ここでは登録販売者がビックカメラで働く際の働き方や、ビックカメラで働くメリット・デメリットについて解説していきます。

ビックカメラでの登録販売者の働き方

ビックカメラで働く登録販売者は、店舗一角の薬売り場を担当することになります。

ビックカメラは店舗面積が広く、駅前立地であることから来客数が多いです。そのためビックカメラは、他のドラッグストア以外の業態(スーパーなど)に比べて、薬や衛生用品などの売り場が広い傾向にあります。

ただ一方で、店全体が広いため医薬品倉庫が薬売り場から離れているケースが多いです。品出し・納品時には売り場と倉庫を往復しなければならないため、身体的負担が大きくなりやすいです。

また、ビックカメラには直属の従業員以外のスタッフも多く働いています。特に繁忙期は、期間限定の販売スタッフが多数雇用されます。

このとき、従業員が多いとその分だけ一人当たりの仕事量が少なくなります。そのためビックカメラでは、繁忙期のピークタイムでも接客に時間を割くことが可能です。

ただ従業員が多すぎると、休憩室がスタッフで埋まりやすくなります。決算期や新生活シーズンなどには、廊下に机を出して昼食を取らざるを得なくなる場面もあります。

そのためビックカメラでは、忙しい時期でも余裕をもって仕事できる人員数が確保されているものの、休憩中にゆっくり休むことができない環境であることを覚悟する必要があります。

外国人観光客への対応が発生する

なおビックカメラは都市部の駅近くに店舗を出店する戦略(レールサイド戦略)を取っているため、外国人観光客の来店が多いです。

このとき、外国人観光客のほとんどは日本語を話せません。そのためビックカメラで働くと、外国人観光客に英語などの外国語で対応しなければならないケースが発生します。

実際に以下は、大阪にあるビックカメラの登録販売者求人です。

この求人には、外国人の来店があると記されています。ビックカメラで働く登録販売者には、外国人対応が発生するのです。

このときビックカメラには、外国語スキルのないスタッフでも外国人対応ができるように、外国人対応用の症状表などが常備されているのが基本です。売り場にも日本語に英語・中国語が併記されており、外国語対応が可能なスタッフも在籍しているケースが多いです。

ただ、団体客来店などによって外国語の症状表や外国語対応スタッフが空いていないと、あなた一人で外国人対応をこなさなければならなくなります。ビックカメラで働く登録販売者は、外国人対応を自力でこなさなければいけない場面が発生することを覚悟する必要があるのです。

とはいうものの、英語などの外国語スキルがない登録販売者であっても、勤務開始から半年も経てば問題なく外国人観光客に対応できるようになります。

薬や症状に関する英単語さえ覚えてしまえば、英語を話せなくても英語圏の観光客に対応できるようになります。また、中国語圏の顧客であれば、漢字による筆談で意思疎通が可能です。外国人対応そのものに慣れてくれば、ジェスチャーでも意思疎通できるようになります。

つまり、場数を踏めば外国語スキルがなくても問題なく外国人対応がこなせるようになるのです。外国人対応を大変に感じるのは最初のうちだけなので、外国語スキルのない登録販売者であっても心配する必要はありません。

なお当然ながら、外国語スキルがある登録販売者はビックカメラでの外国人対応で存分に能力を発揮することができます。ビックカメラでは外国語スキルの高いスタッフが重宝されるため、やりがいを感じることができるでしょう。

ブランクのある登録販売者でも働きやすい

また一般的に、スーパーなどドラッグストア以外の小売店は薬の売り上げが低いため、少人数の登録販売者で運営しているケースがほとんどです。中には、時間当たりの資格者数が一人となる店舗もあります。

これに対して、ビックカメラは医薬品の売上が高めです。そのためビックカメラには、常時複数人の資格者が店舗に在籍しています。中には、薬剤師が勤務している店舗もあります。

これは、経験が少なかったりブランクがあったりする登録販売者にとって働きやすい環境だといえます。わからないことがあっても他のスタッフに聞くことができますし、忙しいタイミングも協力して切り抜けることができます。そのためビックカメラは、研修中の登録販売者であっても働ける環境が整っています。

実際に以下は、ビックカメラの登録販売者求人です。

この求人はOTC販売経験のある医薬品売り場担当(登録販売者)を求めていますが、管理者要件に関する記述はありません。ビックカメラでは、管理者要件を満たさない研修中の登録販売者でも働くことができるのです。

売り場案内やキャンペーンなど薬以外の業務が発生する

ただ一方で、薬売り場に在籍している資格者数が多いビックカメラでは、登録販売者であっても薬以外の仕事が発生することを覚悟する必要があります。

薬売り場には、薬剤師や登録販売者が一人でも常駐していれば運営可能です。そのため家電売り場など薬以外の売り場が忙しい場合、他部署へ駆り出されることがあります。

またビックカメラでは、カード入会などのキャンペーンイベントが定期的に行われます。このような催事には、各売り場から持ち回りで従業員が駆り出されます。薬の資格者である登録販売者も例外はありません。

実際に以下は、東京にあるビックカメラの登録販売者求人です。

この求人には、医薬品売り場の担当者もキャンペーン案内などの他業務に関わる可能性があるとしています。

特に薬剤師が在籍している店舗では、薬剤師が優先的に薬売り場に常駐します。そのためキャンペーン時などは、薬売り場から登録販売者が駆り出されることになります。

またビックカメラで働いている登録販売者の口コミ・評判では、「顧客からの問い合わせに対応しなければならないため、薬売り場の担当者であっても家電製品の知識が必要である」とよく聞きます。

そのためビックカメラで働く登録販売者は、薬以外の仕事もこなさなければならないことを覚悟しましょう。

ビックカメラで働くメリット

なお一般的な小売店では、売り場構成やPOPデザインなどの店づくりに関する業務が本部主導で行われます。そのため、店舗スタッフの判断でレイアウトを変更したりオリジナルのPOPを作ったりすることには制限があるのが基本です。

これに対してビックカメラは現場の裁量権が大きく、自由に仕事をしやすい環境にあります。具体的には、売り場レイアウトやPOPなどを自分(チーム)の判断で変更することが可能です。ビックカメラでは、自分のアイディアを売り場に反映させることができるのです。

どの店舗でも通勤しやすい

また一般的な小売店だと、都市中心部や郊外などのさまざまな地域に店舗を展開しているケースがほとんどです。そのため一般的な小売店で働くと、公共交通機関での通勤が難しい郊外店舗に配属される可能性があります。

これに対してビックカメラであれば、大きな駅に隣接している店舗がほとんどです。そのためビックカメラで働くと、公共交通機関のみで通勤することができます。また、通勤時間も短くなりやすいです。

さらに、ビックカメラ店舗のほとんどは駅と直結となっています。そのためビックカメラで働くと、どの店舗に配属されても悪天候時でもストレスなく通勤できます。実際にビックカメラで働いている人の中には、雨天時でも傘を持たずに出退勤する人が何人もいます。

このような「どの店舗に配属されても通勤しやすい」点はビックカメラ特有の特長といえます。

高額商品も買える社員販売制度がある

またビックカメラで働く上で魅力的なのが、社員販売制度がある点です。社員販売を利用すると、ビックカメラで販売されている商品を常時5~10%オフで購入することができます。

このとき、ビックカメラでは高額の家電が多く取り扱われています。そのため白物家電やパソコンなどの高額品を購入する際に社員割引を利用すると、割引額がかなり高くなります。

例えば10万円の家電を買う際に社員販売制度を利用すると、5,000円~1万円ほど得することができるのです。そのため家電を買い替える機会が多い人は、ビックカメラで働くことでかなりお得に買い物できるといえます。

またビックカメラでは、年2回従業員向けの特価販売会が行われています。特価販売で取り扱われる商品は限定されているものの、定価の半額近くの低価格で購入可能です。このような機会をうまく利用すると、生活必需品をお得に取り揃えたり買い替えたりすることができます。

登録販売者(特に女性)はビックカメラで働きやすい

なおビックカメラは小売企業であるため、入社後はシフト制勤務となります。具体的には、早番(9~18時・10~19時)や遅番(12~21時)が入り混じったスケジュールで働くことになります。また基本的に、土日祝日は売上が高いため出勤となり、休みは平日となります。

ただビックカメラは、一般的な小売企業よりも希望休を取得しやすい傾向にあります。具体的にいうと、正社員であっても月2回ほど土日を含む希望日に休みを取得することが可能です。

育休や時短勤務など女性が働きやすい制度が充実している

さらに、小さな子供がいる女性は土日を定休にすることもできます。実際にビックカメラで働いている人の口コミには、土日に休みを取っているママ正社員が多くいます。

これに加えて、ビックカメラは子育て支援も充実しています。例えば、法律で定められている育児休暇は1歳までであるのに対して、ビックカメラであれば子供が3歳になるまで育休を利用できます。

また、短時間勤務は子供が小学校を卒業するまで利用することが可能です。さらに妊娠中の通院休暇も取得可能であり、子供手当も支給されます。ビックカメラは小売企業の中でも子育てしながら働きやすい環境が整っているのです。

このとき、「制度があっても利用しづらいのであれば意味がない」と思う人は多いでしょう。たしかに、子育て支援制度が充実している企業の中には、制度の利用が難しいケースがあります。

ただビックカメラは実際に子育て支援制度を利用しやすい環境となっており、実際に利用している人も多いです。例えば以下は、ビックカメラの新卒求人に記載されている育休取得率です。

このように、ビックカメラで働く女性の育休取得率は100%となっています。ビックカメラは子育て支援制度を利用しやすい環境が整っているのです。

登録販売者だと転勤なしで働くことができる

またビックカメラは全国に店舗を展開しているため、全国転勤があります。ビックカメラは地域に集中出店しているわけではないため、異動には転居を伴うケースが多いです。

ただ、登録販売者であればビックカメラであっても転勤なしで働くことが可能です。登録販売者は市販薬を扱える国家資格であり、資格者数が限られているためです。

実際に以下は、東京にあるビックカメラの求人です。

この求人は転勤なし働く登録販売者を募集しています。ビックカメラでは、登録販売者が転勤なしで働くことができるのです。そのため慣れ親しんだ土地で働き続けたい登録販売者は、ビックカメラを転職先の候補に入れることをおすすめします。

ビックカメラで登録販売者が働くデメリット

ただ、ビックカメラで登録販売者が働くことにはデメリットもあります。

例えば一般的な会社であれば、休憩中に会社を出て昼食を取ることが可能です。これに対してビックカメラでは、従業員の内部万引きを防ぐために、休憩中に外出する際には上司への事前申請が必要となっています。そのため、休憩中に昼食のために会社(店舗)を出ることはできません。

また、ドラッグストアやスーパーなどで働いている場合、勤務している店舗で昼食を調達することができます。一方でビックカメラは家電が主力商品であるため、食料品の取扱はかなり少ないです。

このときビックカメラ店舗の中には、従業員利用スペースに食堂や売店、無人コンビニなどが設置されています。そのため基本的には、手ぶらで出勤しても昼食を取ることが可能です。

ただ、食堂や売店などは19~20時などには閉まってしまいます。そのため無人コンビニのない店舗に配属されると、遅番休憩時の食事を持参しなければ休憩中にまともな食事を取れないケースがあります。

役職に就くと急な人事異動・シフト変更の可能性がある

またビックカメラは人の入れ替わりや会社都合による予定の変更が多く、急な人事異動・シフト変更が起こりやすいです。希望休を取得した日は予定の変更がありませんが、それ以外の休日は前日に出勤依頼の電話がくる可能性があるのです。

また通常、人事異動は一ヶ月前までに内示が出ますが、ビックカメラでは急な人員不足が発生すると内示が1週間前となることもあります。中には、転居を伴う異動が3日前に指示された人もわりといます。

ただ薬売り場は他の売り場と異なり、営業時間内に必ず資格者が常駐していなければならないため、余裕をもって資格者シフトを組むのが基本です。また、前述のように登録販売者は転勤なしで働くことができるため、基本的には急な人事異動も避けることが可能です。

しかし昇格して責任のある役職に就くと、スタッフの時よりも会社の都合に合わせて働くことを求められます。その結果、資格者の人員不足に応じて転勤・シフト変更が発生する可能性があるため覚悟が必要です。

登録販売者の資格者は昇格・昇給が難しい

また登録販売者がビックカメラで働く上で覚悟しなければならないのが、キャリア・給料が頭打ちになりやすい点です。

ビックカメラで働く登録販売者は、他売り場のフォローに回ることもあるものの、基本的には薬売り場で働くことになります。そのため、家電など他製品について専門家になれるほどの知識を蓄えることは難しいです。

ただ、ビックカメラの主力商品は薬ではなく家電商品です。そのため登録販売者だけの知識・経験で就ける役職は限られており、店舗の薬部門を統括する立場より上の役職を目指すのはかなり難しいでしょう。

また、ビックカメラにも薬部門のバイヤーなど本部役職はあります。ただ薬部門の高い役職には、知識レベルの高い薬剤師が就くことが多いです。登録販売者は役職を上げて昇給するのが難しいのです。

さらにビックカメラでは、給料の査定に職位級制度が取り入れられています。そのためビックカメラでは、名のある役職に就かなくても昇給が可能です。

ただ、職位級の査定では売上金額が重視されます。薬売り場の商品は、他の家電商品に比べて単価が低いです。そのため、ビックカメラの評価制度では薬担当者が職位級を上げにくいのが実情です。

また数値実績を上げて職位級が一つ上がっても、昇給は月額3,000円程度です。ビックカメラでは登録販売者が役職に就きづらく、実績を上げて職位級を上げても昇給額が少ないのです。そのためビックカメラで働く登録販売者は、一定以上の昇格・昇給は難しいことを覚悟しておく必要があります。

イベント前などには夜勤が発生する

さらにビックカメラでは、イベント前日などに準備のための夜勤が発生します。夜勤は男性従業員が担当するのが基本であり、多い月で4~5回発生します。

このとき、ビックカメラは深夜営業をしているわけではないため、夜勤専従のシフトにはなりません。つまり、夜勤が日勤シフトに挟まれることになります。

また、夜勤の次の日は公休扱いとなります。例えば「昼の12時に退勤後、公休を挟んで翌日朝10時に出勤」などのスケジュールになるのです。このような日程では、休みに予定を入れたり休みの日をレジャー・リフレッシュに充てることが難しくなります。

当然ながら、日勤と夜勤が入り混じったシフトで働くと生活リズムが大きく乱れます。心身への負担が重く、休みに用事を入れることも難しくなります。

また夜勤では法律で定められた金額(基礎給×0.25)が給料に上乗せとなりますが、それ以外の手当は支給されません。そのためビックカメラの夜勤は「割に合わない」と感じる従業員が多いです。

転職サイトを利用してビックカメラの求人を探す

ビックカメラは現場の裁量権が多く、自由に仕事にあたることができます。また、女性が働きやすい環境が整っているのが特長です。

特に登録販売者の資格者は余裕を持ったシフトで働けるため、基本的には急なシフト変更が少ないです。また、一般的な小売業では難しい「転勤なし」という働き方も可能です。

ただ、ビックカメラの登録販売者求人は少ないです。ビックカメラは展開店舗数が少なく、その中でも薬を扱っている店舗は限られています。そのためビックカメラでは登録販売者の中途求人が出る機会が少なく、募集人数も少ないケースが多いです。

そこでビックカメラで働きたい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。

転職サイトの担当者は、あなたが希望する職種の新規求人を逐一紹介してくれます。そのため転職サイトを利用すると、ビックカメラの新規求人を見逃すことなく応募できるようになります。

ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは最低でも3社以上登録しましょう。そうすることでビックカメラへの転職を実現しやすくなります。

まとめ

ビックカメラは登録販売者が働きやすい環境が整っています。在籍している資格者が多いため急なシフト変更が発生しにくいですし、経験の少ない研修中の登録販売者も働くことができます。また登録販売者であれば、転勤なしで働くことも可能です。

またビックカメラは現場の裁量権が大きく、自分のアイディアを売り場に反映することができます。そのため仕事にやりがいを求める人は、ビックカメラで働くことで満足感を得られるでしょう。

ただ、ビックカメラの登録販売者求人はかなり少ないです。そのため自力で求人を探すと、こまめにチェックしなければ案件を見逃してしまいやすいです。

そこでビックカメラで働きたい登録販売者は、転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることでビックカメラの案件を見逃しにくくなり、働きやすい環境でやりがいのある仕事に就くことができます。


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