パートナーが遠方へ転勤となった場合、家族は引越さずに単身赴任してもらう選択肢があります。ただ単身赴任は経済的な負担が大きく、家族仲が悪くなるリスクもあります。そのため、稼ぎ頭の転勤に合わせて引っ越しをする家庭は多いです。
ただパートナーの転勤で引越す場合、転勤族の妻が安定した職に就くことは難しいです。引越し先で事務職などに就いても、再び転勤する際には退職しなければなりません。その結果、転職回数ばかりが多くなり再就職が難しい経歴となっていきます。
このような中、登録販売者資格は転勤族の妻におすすめの資格です。登録販売者資格を保有していると、転勤族のパートナーがいても就職や勤続などが可能となるのです。
そこで、登録販売者資格が転勤族の妻におすすめな理由と転勤族の妻が求人を選ぶコツについて解説していきます。
もくじ
登録販売者資格が転勤族の妻におすすめな理由
パートナーの転勤で引越さざるを得ないとき、多くの人は仕事を退職します。このとき支店や事業所などを多数展開している企業で働いている場合、異動願を提出することによって退職せずに済むケースがあります。
しかし「異動願を提出したら、必ず希望の支店・事業所へ異動できる」わけではありません。ただ異動が叶わなかったら退職せざるを得ない状況の場合、事情が考慮されて異動が叶うケースが多いです。
そのため支店・事業所を多く展開している企業で働くと、パートナーの転勤によって引っ越さざるを得ない場合であっても仕事を辞めずに済む可能性が高くなります。
小売業界は店舗をチェーン展開している企業が多い
このとき、登録販売者は市販薬を取り扱える資格です。そのため、ドラッグストアやスーパーなどの薬の取扱店(=小売店)で需要が高いです。
小売店は店舗を多数展開している企業がほとんどです。中には、全国各地に店舗がある企業もあります。
例えば以下は、大手ドラッグストアチェーン・ウェルシア薬局の求人です。
ここには東京や大阪、愛知などの全国に店舗を展開していることが記されています。小売業界は各地に支店を持っている企業が多いのです。
このような企業に勤めていれば、パートナーの転勤によって引っ越しの必要性が出ても退職せずに済みやすいです。登録販売者資格を取得すると、全国へ異動しやすい企業へ入社しやすくなります。
地方でも就職しやすい
また登録販売者資格が転勤族の妻におすすめな理由がもう一つあります。それは、全国各地で仕事を見つけやすい点です。
全国各地に店舗を展開している企業であっても、日本すべての地域に店舗があるわけではありません。実際に前述したウェルシア薬局は、北海道や九州、沖縄に店舗を展開していません。
また異動希望先に空きがなく、異動できずに退職せざるを得ないケースもあります。そのため、小売店で働いていてもパートナーの転勤によって仕事を辞めざるを得ないケースがあります。
このとき引越し先で新しい就業先を探すことになりますが、登録販売者資格を保有していると仕事を見つけやすくなります。薬は人々の生活に必要不可欠な商品であり、薬を販売している店舗はどの地域にも存在するためです。
登録販売者資格を取得すると、転勤によって仕事の少ない地域へ引っ越しても就職が決まりやすくなるのです。
調剤薬局でも活かすことができる
さらに登録販売者資格は、調剤薬局でも活かすことができます。
一般的に調剤事務は調剤事務の資格がないと就職できないと思われがちです。ただ実際は調剤事務の資格は民間資格であり、従事に必須な資格ではありません。調剤事務は無資格者でも働くことができるのです。
このとき登録販売者資格を取得するためには、薬や薬機法などの知識が必要となります。このような基礎知識は調剤薬局で働くために必要です。そのため、登録販売者資格を保有している人は調剤事務の仕事を早く覚えやすいです。
また、調剤薬局のほとんどが市販薬を取り扱っています。このことから、登録販売者を積極的に取っている薬局は多いです。例えば以下は、千葉にある調剤薬局の求人です。
ここには、登録販売者を募集していることが記されています。登録販売者資格を保有していると、調剤薬局への就職も有利になるのです。
一般的にドラッグストアなどの小売店で働くと土日出勤が基本となります。また終業時間が夜になることもあります。
これに対して、調剤薬局はドラッグストアよりも営業時間が短く日祝が定休であるところが多いです。そのため、夕方までの勤務と日祝定休を実現することができます。
実際に以下は、兵庫にある調剤薬局の登録販売者求人です。
ここには、日祝定休で勤務時間が9~19時であることが記されています。登録販売者資格を活かして調剤薬局で働くと、家庭と両立しやすい働き方が可能となるのです。
なお、調剤薬局はチェーン展開してない施設がほとんどです。そのため、パートナーの転勤に合わせて異動することはまず不可能です。ただ調剤薬局は全国各地に存在しているため、登録販売者資格や調剤薬局での勤務経験があれば就職に困りません。
さらに調剤事務は女性が多い職種であり、転勤族の妻も働いている職場が多いです。調剤薬局は転勤族を受け入れてくれる可能性が高いのです。
転勤族の妻はチェーン展開している小売店だけでなく、調剤薬局への就業も視野に入れて求人を探しましょう。
転勤族の妻が登録販売者として働き続けるコツ
前述の通り、店舗をチェーン展開している小売企業に異動願を提出しても希望通りの異動が叶わないことがあります。
例えば異動を希望した店舗に十分な数の従業員がいた場合、そこに配属されるのは難しいです。希望店舗で異動を希望する人がいなければ、配属が叶わないこともあります。
このとき、希望の異動先店舗を限定するほど要望が叶いにくくなります。そのため転勤族の妻が働き続けるためには、異動先の条件をなるべく譲歩することが大切です。
例えば就業可能な店舗を「引っ越し予定の自宅から片道30分以内」と限定してしまうと、条件が狭まって異動が叶いにくくなります。一方で、片道45分以内まで条件を広げると異動可能な店舗がある可能性が高くなります。
また、ドラッグストアなどの小売店は住宅街に立地していることが多いです。そのため、地域によっては公共交通機関で通勤すると時間がかかることがあります。
ただ住宅街にある店舗であっても、車で通勤すれば通勤時間を短縮することができます。その結果、就業可能な店舗が多くなり異動願が受理されやすくなります。
そのためパートナーの転勤地域への異動を叶えたいのであれば、条件を譲歩したり就業可能な店舗を増やしたりするなどの努力が必要です。
会社にとって有用な人材でなければ希望は通らない
ただ、あなたがもし「他スタッフで容易に代替できる人材」であるならば、異動願が受理されることはないでしょう。むしろ、退職を勧められるリスクの方が高いです。
一方であなたが会社にとって手放したくない人材であるならば、希望通りに異動させてでも勤続させるはずです。
実際、「どのような環境でも、担当部門・担当店舗で高い売上を取れる人材」は会社にとってかなり有用です。そのため、利益を上げる能力がある人は希望の異動が叶いやすくなります。
また、人柄の良い人や高いマネジメント能力を持つ人なども会社にとっては有用な存在です。
例えば、どの店舗に行っても円滑な人間関係を築ける人材は職場の雰囲気を良くします。その結果、店舗のオペレーションが改善したり売上が上がったりしやすくなります。
また、優秀な部下を何人も輩出できる人材は手放すことができません。そのため人材育成能力が高いと判断された人も、希望通りの異動が叶いやすくなります。
実際に私が昔働いていた店舗には、登録販売者ではありませんが人材教育がかなり上手なスタッフがいました。
あるとき、このスタッフはパートナーの転勤によって引っ越す必要性が生じたため、会社に退職を申し込みました。
そうしたところ、会社から「同じ地域の店舗へ異動できるようにするから、退職は考え直してほしい」と説得されました。その結果、そのスタッフは退職することなくパートナーの転勤についていくことができました。会社にとって有用な人材であれば、異動によって退職を免れることができるのです。
そのため希望の異動を叶えたいのであれば、売上や利益、人員育成などの面で実績を作ることで、会社にとって有用な人材となりましょう。
転勤族の妻が登録販売者求人を選ぶコツ
当然ながら、パートナーの転勤で希望の地域に異動するためにはパートナーの転勤先に店舗がある必要があります。引越し先に店舗がない企業に勤めると、引っ越しとともに異動することは不可能です。
そのため転勤族の妻は、まずパートナーが転勤する可能性のある地域を認識することが大切です。その上で、パートナーが転勤する地域に店舗を展開している企業を選びましょう。
ドラッグストア以外の業態は避ける
ただ、パートナーの転勤範囲によっては、同じ地域に店舗を展開している企業が存在しないケースがあります。また、転勤先の地域に店舗を展開している企業で働いていたとしても、人員の空きがなく異動が叶わないケースもあります。
このような状況でパートナーの転勤についていく場合、退職を選ばざるを得なくなります。そうしたときは転職することになりますが、基本的にはドラッグストア(または調剤薬局)を転職先に選びましょう。
基本的に、パートナーが転勤族である登録販売者はコンビニやホームセンターなどの「ドラッグストア以外の業態」を選ぶべきではありません。
ドラッグストア以外の業態では、資格者数をギリギリで運営しています。中には、時間あたりの資格者数が一人になる店舗もあります。
このような店舗で登録販売者として働いた場合、あなたがいなくなると薬を販売できない時間が発生してしまいます。そのためドラッグストア以外の業態では、登録販売者の異動願が受理されにくいです。
また、異動願を受理するためには希望する地域に登録販売者枠の空きがある必要があります。ただドラッグストア以外の業態は、必要最低限の資格者数で運営しているため登録販売者枠に空きがないことがほとんどです。
そのためドラッグストア以外の業態は、パートナーの転勤時に引越し先の店舗へ異動することは難しいです。したがって、パートナーの転勤で引っ越す可能性がある登録販売者は、ドラッグストア以外の求人を選ばないのが基本です。
ただ例外的に、総合スーパーなどの大きな店舗では資格者数が多かったり調剤薬局が併設されていたりするケースがあります。例えば以下は、大手スーパー・イオンの薬売り場です。
この店舗には、調剤薬局が併設されています。調剤薬局には必ず薬剤師がいるため、あなたが異動しても「薬を売れない」という状況には陥りません。また薬売り場が大きいため登録販売者の枠が複数あり、異動が受け入れられやすいです。
そのため、転勤族の妻がドラッグストア以外の業態を選ぶのであれば、このような薬売り場が大きい大型スーパーを選ぶと良いでしょう。
資格のない段階から早めに転職・就職するべき
なお転勤族の妻でも就職しやすい環境で働きたいのであれば、登録販売者資格を取得する前からドラッグストアなどへ就職するべきです。市販薬を一人で販売できる正規の登録販売者になるためには、業務・実務経験が必要であるためです。
具体的にいうと、登録販売者試験に受かっただけの人は「研修中」の扱いとなり、一人で市販薬を販売することができません。正規の登録販売者になるためには、市販薬販売に関する業務・実務経験が5年以内に2年間必要です。
そのため登録販売者資格を取得してから正規の登録販売者を目指そうとすると、正規の登録販売者となるまでにかなりの時間を要します。
ただ、登録販売者の実務経験は資格を取得する前にも積むことができます。
例えばドラッグストアで2年間働いた後に登録販売者試験に受かれば、すぐに正規の登録販売者として働くことができるのです。そのため転勤族の主婦は、登録販売者資格を取得する前からドラッグストアなどの薬の取り扱い店で働くべきです。
実際に以下は、愛知や京都などに店舗を展開するドラッグストアの求人です。
ここには「登録販売者の資格取得を目指せる」と記載されています。つまり、市販薬販売の実務経験を積みながら働くことができるのです。
このような職場を選ぶと、正規の登録販売者資格を取得するまでの期間が短くなります。そのため転勤族の妻は、登録販売者資格を取得する前からドラッグストアなどへ転職しましょう。
転職サイトを利用して転勤族の主婦が働ける求人を探す
ただ、仕事をしたい転勤族の妻(主婦)が働ける条件の求人を自力で探すことは難しいです。多くの条件で求人を絞らなければならないですし、求人に企業の制度がすべて記載されているわけではありません。
このような状況で転勤族の妻が自力で求人を探すと、かなりの労力・時間がかかります。また、どれだけ時間をかけても求めている情報にたどり着けないこともあります。
そこで、主婦をしている転勤族の妻は転職サイトを利用して求人を探しましょう。
転職サイトを利用すると、担当コンサルタントがあなたに合った求人を見つけて紹介してくれます。担当者は会社の内情や詳細な制度についても詳しいため、自力で求人を探すよりも条件の良い案件を見つけやすくなります。
また転職コンサルタントは、あなたと企業の関係を取り持ってくれます。あなたの能力をアピールしながら、転勤族の妻でも就職しやすくなるようサポートしてくれるのです。
ただ、担当者の力量には個人差があります。そのため転職サイトは、最低でも3社以上登録しましょう。そうすることで、より希望の働き方が実現しやすくなります。
まとめ
パートナーの転勤によって引っ越さざるを得なくなった場合、「いま勤めている会社を辞めなければならない」という状況がほとんどです。ただドラッグストアなどでは、異動を願い出ることで退職せずに同じ会社で働き続けられます。
登録販売者資格を活かして働く業界は店舗をチェーン展開している会社が多いです。そのため登録販売者資格を保有していると、パートナーの転勤に対応しながら勤続しやすくなります。
ただ仕事をしたい主婦が働き続けるためには、柔軟な働き方が可能な会社を選ぶ必要があります。このような求人を自力で探すことは困難です。
そのため、転勤族の妻はいまから転職サイトを利用して求人を探しましょう。そうすることで、活躍しやすい会社に入社することができ、実務経験を積みながらパートナーの転勤によって引越しても仕事できる資格で働けるようになります。
登録販売者が転職を行い、求人を探すにしても自分一人で行うのは現実的ではありません。そこで、ほとんどの人が転職エージェントを活用します。
転職サイトを利用すれば、「年収の交渉」「希望の勤務地」「労働時間の調節」を含めてすべて代行してくれるようになります。
しかし、転職サイトによって「地方在住者でも事前面談に対応している」「40代以上でも利用可能」など特徴に違いがあります。人気の転職エージェントの中でも、これらの特徴を理解したうえで、どの転職サイトを利用すればいいのか検討しなければいけません。
そこで当サイトでは、転職サイトごとの特徴について解説しています。転職では2~3社以上に登録して活動するのが基本になるものの、どの転職エージェントを利用すればいいのか理解したうえで以下のページから比較検討し、転職サイトへ登録するようにしましょう。